2004年5月1・11日号(第470号)

自治体賃金格差の是正へ対応強化

臨時・非常勤の労働条件改善へ均等待遇、不安定雇用解消を追及 4月22日地方課交渉を実施

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府本部は3月8日に京都府知事へ提出した春季生活闘争にかかる要求書について、4月22日に府地方課と交渉を実施。府本部執行部をはじめ単組代表者ら16人が交渉に臨んだ。

府本部は次の9つの要求項目について中井幹晴地方課長と協議した。

  1. 自治体労働者の賃金水準の維持・改善
  2. 臨時・非常勤職員の賃金・労働条件の向上と均等待遇の実現
  3. 公共サービス労働者を含めた最低賃金の確立
  4. 時間外労働の縮減と年休の完全取得
  5. 家族的責任を有する男女労働者の両立支援策の拡充
  6. 女性職員の採用・登用拡大
  7. 市町村合併に伴う労働条件の変更に際する労働組合との十分な交渉・協議
  8. 寒冷地手当制度の維持
  9. 人事評価制度についての組合との十分な協議の実施

中井幹晴地方課長は、公務員給与に対する住民の理解を得る中で、賃金水準の低い自治体に対して特別昇給制度などの適切な助言をしていきたいと回答。府本部も実効性のある対応を強く求めた。

恒常的な職につく臨時・非常勤職員の均等待遇について、問題意識は持っていきたいという消極的な回答に対して府本部は、正職員と同様の勤務内容で不安定な雇用を続けている実態を十分把握し期間の定めのない雇用とするよう要請した。

労働時間短縮については国の指針を基準に職員の健康管理の面からも努力したい。4月1日に施行された府男女共同参画推進条例に基づき、両立支援、男性の育児休暇取得促進、女性職員の採用・登用拡大に向けて各自治体にも指導、情報提供を行うとした。

市町村合併に伴う労働条件等の変更については、合併協議会で十分協議した上で労組と交渉する経過が大事という見解を示した。

寒冷地手当は民間準拠とする回答に、自治労はこれまでの経過を重視し重要課題として取り組むと明言。人事評価制度の導入には先進的な自治体を参考に推奨していくとした回答に対して府本部は、公平性、透明性などが損なわれないことを求めた。

組合の女性参画推進を

男女がともに担う府本部委員会、産別統一闘争に向け5月12日に学習会

男女がともに担う府本部委員会は、六月の男女平等産別統一闘争にむけて取り組みを開始。単組執行部を対象に学習会を開き、職場の男女平等を推進するための具体的な行動提起をする。

学習会は5月12日(水)午後5時30分からハートピア京都で開催。組合活動への女性参画を進め、男女平等の組合・職場をつくるための意見交換を行う。

昨年、同委員会が行った単組実態調査では、女性組合員の比率に対して執行部の女性参画率が低く、女性の声が意思決定機関に届かない状況が明らかになっている。また被害者の大半が女性であるセクハラについても、職場や組合に相談窓口が設置されていない単組がほとんど。結婚後の旧姓使用制度や子どもの看護休暇、育児休業期間にかかる昇給・一時金・退職手当における不利益への対応なども不十分だ。委員会ではこのような課題を通年の要求項目として単組で取り組むよう昨年提起している。

今年の産別統一闘争では昨年の取り組み総括をふまえて男女平等闘争委員会(府本部執行委員会)が具体的に要求案を提示していく。

労働組合への女性参画を広げ、より多くの組合員にとって組合を身近にし、男女ともに仕事と家庭生活の両立ができるよう、各単組で積極的な取り組みをお願いしたい。

公立保育所の意義アピールを

府本部社福評 一般財源化に取り組み強化

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社会福祉評議会は4月24日、「公立保育所運営費負担金の一般財源化について」の学習会を京都市こどもみらい館で開催、25人の保育関係者が参加した。

国の三位一体改革のもと、2004年度予算で公立保育所運営費国庫負担金が廃止、所得譲与税として一般財源化された。自治労はこの間、公的保育サービスの水準が低下されるとして一般財源化に反対し、総務省との交渉で自治体の財源は確保するとの回答を得ている。しかし財政難に窮する自治体はこれを機に、他事業の支出に回したり、従来どおり負担金が維持される民間委譲(移管)を提案することも考えられる。

講師の東向旬子さん(自治労社福評保育部会幹事)は「私たち自身が地域ニーズに合った保育サービスを具体的に提案し、公立保育所の存在意義をアピールすることしか職場を守る方法はない」と提言。現場の忙しさにまぎらわされず、社会情勢を敏感に捉えることが必要だと訴えられた。

新採20人全員が組合加入

京田辺市職組合学習会、青年部も積極的に勧誘

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京田辺市職員組合は、4月14日に今年の新規採用者20人(男性11人、女性9人)を対象に組合学習会を市役所内会議室で開いた。

参加した新採者は、村上委員長ら先輩からのあいさつや説明に、最初は緊張を隠せない面持ちだったが、自己紹介の場では、さすがに厳しい雇用状況の中で採用されただけあり、趣味などをしっかり自己アピールする積極さを見せた。そして学習会終了後に全員が組合加入届を出し、公務員生活のスタートとともに市職の仲間入りをした。

今年は青年部が再建されて2年目。今学習会に西村青年部長をはじめ役員一同が勢ぞろいし、レクリエーション主体の青年部の活動へ積極的に勧誘した。さらに青年部では、機関紙「自治労京たなべ」新入組合員紹介特集号で、市職初めての試みの写植新聞にチャレンジしており、組合運動の原動力としての活動が期待されるところだ。

「食の安全」考えよう

府本部アースデイ 5月25日に学習会

牛海綿状脳症(BSE)、高病原性鳥インフルエンザなど、食の安全を揺るがす事件が続く中、「食」に対する関心が強まっている。今、私たちが日々口にする食べ物がどんな経過をたどって来ているかに無関心でいられるだろうか。

近年、豊かな先進国によって農業の近代化やグローバル化が進められ、化学肥料や農薬散布などの環境汚染、エネルギーの無駄な使用による地球温暖化も問題となっている。食の問題は環境問題でもある。

]この状況をふまえ府本部は、アースデイの取り組みの一環として、「食の安全」についての学習会を5月25日(火)午後6時から、ホテルセントノーム京都で開く。講師は近畿農政局から迎える。各単組から積極的な参加をお願いする。

地球環境を守ろう〜アースデイ2004〜

京都縦断サイクリングなど企画

4月22日はアースデイ(地球の日)。1970年4月22日、アメリカの市民運動家デニス・ヘイズの呼びかけで、アメリカ全土で環境保護に地球市民として取り組む集会が行われたことを契機に決められ、世界各国で環境に関する取り組みが展開されている。

府本部は毎年、アースデイ企画として4月から8月に環境問題や自然と親しむ行事を行っているが、今年は秋まで取り組み期間を広げる。

オープニングは恒例の京響音楽家労組によるアースデイコンサート。4月28日午後6時半からホテルセントノームで開く。

続いて5月に「食の安全」についての学習会を開催、8月は水週間に取り組む。9月の全国清掃週間にあわせて京都縦断サイクリングを企画、京丹後市から木津町まで自転車で走りながら環境問題をアピールする。10月には組合員や家族が製作した環境に関する作品のコンクール、ガーデニング教室も予定している。みなさんの参加を。

結成から15年、連合の役割と今後の活動テーマに

5月13日、6月8日 連合京都女性・青年委員会が連続講座

連合京都女性委員会は連続講座を5月13日と6月8日に開く。

1回目のテーマは、結成15年を迎えた連合が制度政策や女性の労働環境の改善・向上について、これまで果たしてきた役割を振り返り、今後の活動を提起する。講師は連合中央副事務局長の林誠子さん。会場は京都テルサ。

2回目は、昨年7月に成立した「次世代育成支援対策推進法」で義務づけられた行動計画策定に労働組合としてどう参画していくかを、連合大阪副事務局長の脇本ちよみさんから聴く。会場はラボール京都。各単組から多数の参加を。

参議院選挙「非拘束名簿式」ってどんな制度?(その1)

順位決定は個人の獲得数で

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制度の背景

参院選は選挙区(73名)と比例代表(48名)との2つの方法で議員を選出する制度です。選挙区は京都府全体を1つの区域とし選出します。京都の定数は2名です。投票は候補者名を記入する方法で、他の選挙と変わりません。

一方、比例代表は三年前に制度が変更されました。その当時、民主党をはじめとする野党は反対しましたが、自公保の与党が強引に、実質の審議わずか七日で成立させてしまいました。タレント議員による集票はこれまでもありましたが、スポーツ選手を起用するなど自民党で特に顕著になったことがこの非拘束名簿式を物語っています。

順位決定は個人の獲得数で

衆院選の比例代表はあらかじめ候補者に順位があり、投票も政党名でのみ有効です。政党全体で何票獲得できたかにより当選者の人数が決定し、当然順位の上位者が当選する確立が高いわけです。

しかし参院選の場合この順位はありません。あくまでも全国から得られた個人票の合計数により順位が決まります。同じ政党内で一票でも多い候補者が上の順位となり、しかも政党票も有効なのです。この政党票がどうなるかがこの制度をわかりにくくしています。

政党票は個人票に按分されたり分配されたりするわけではありません。この非拘束名簿式は、まず立候補した個人全員の票数と政党票の数を合計し、この総数で当選者の人数が決まります。そして当選者の順位は前述のように個人票の獲得数によって決まり、上位者が当選する確率が高いのは同じです。(つづく)

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