2016年6月1日号(第735号)

京都の実態把握と改善を求める

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府本部は5月16日に、2月24日に提出した「2016年春季生活闘争にかかる要求書」について京都府自治振興課回答交渉を実施した。賃金水準の改善、人員確保や臨時・非常勤等職員の処遇改善など、具体的内容について京都府の見解を求めた。

府庁旧館の総務部会議室で行われた交渉には、府本部から高橋執行委員長ほか8人が出席。府は今年度、国から出向してきた自治振興課、中西課長を含む4人が出席した。

冒頭、中西自治振興課長は熊本地震に関して、府の各市町村から職員の益城町への派遣に、速やかな対応に感謝を述べた。

次に中西課長は「給与に関して、給与制度の総合的見直しや、各市町村の財政事情を踏まえた独自の削減等の取り組みによって厳しい状況を認識している。当課としては人事院勧告に準じて取り扱うことが適当であり、各市町村には適切に判断するよう助言している」と回答。府本部は「ラスパイレス指数が100に達しない自治体があるということについて手立てがなされていない」と指摘し、「地域手当の見直しは総務省が率を提示するのだから、人事院に申し入れするのではなく、独自で各自治体に考え方を示すように言っていただきたい」と要請した。これについて課長は「府南部地域の地域手当は0〜12%と差があり納得できにくいところがあることは認識している。総務省は、次回の地域手当見直し時には人事院に申し入れを行うとしており、府は経過を注視し今後も国に対し要望していく」と述べた。

人員確保について「現場は人員不足で困っている。首長が持っているイメージは国から縛りがかかっているようだ。この場と、各単組での話し合いには温度差がある」と求めた。課長は、「町村長から『人が足りない』と聞いている。新しい業務にあてられる職員を確保し、定員管理だけではなく、業務をどう回して新しいニーズに応えていけるかという観点から助言をしていきたい」と述べた。

臨時・非常勤等職員の雇用の安定と処遇改善について課長は、「定期昇給の考え方は馴染まないが、再度任用された異なる職務についた場合、以前の職務より高度な職務に従事し、責任に応じて給与が高くなることは考えられる。また「通勤費用は支給することができ、時間外勤務についても適切に支給するもの」と考えを述べた。

これに対して府本部から「保育士など昇給制度がないため、10年間働いても1年目と同じ給与のところがある。現状に見合った制度とするべき」と求めた。

等級別基準職務表の条例化、級別・役職ごとの職員数の公表について「現業職等も一般行政職に準じた対応」と回答したことを受けて、府本部は「法律が求めているのは一般行政職のみであり、法律に基づく対応をするよう」求めた。

義務化されたストレスチェックについて課長は「50人以下の事業所も含めて実施するよう先般の会議で助言した」と述べた。府本部は「各市町村の実施状況は」との問いに「町村の場合、今年10月に調査をし、その後実施するのではないか。ストレスチェックは安全衛生委員会を活性化して、しっかり実施するよう助言した」と述べた。

高橋執行委員長は「今年の春闘は去年より率は下がっているが、3年連続のベースアップとなった。もう一つは中小零細、非正規の実質引き上げが昨年より若干、上まわった。今後、組合員は給与が上がってくれるのではないかという期待感がある。しかし、震災があり、消費税が引き上げられない場合、財政不足が生じて職員の給与削減の話が国レベルで出てくるのではないか。国目線ではなく、京都の実態を今後十分に把握していただき、自治体の職員が意欲とモチベーションをもって仕事ができるような発信を、京都の力をお願いしたい」と府の対応を強く求め交渉を終了した。

男女平等要求書提出

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5月16日、府本部は男女平等実現を求める要求書を府男女共同参画課へ提出した。また、府市長会・町村会へは5月20日に提出。両会へは同時に人員確保に関する要請書提出を行った。

第38回府本部スポーツ大会軟式野球

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真夏日となった5月21日、軟式野球の予選が八幡市民スポーツ公園グラウンドで7チームが参加し、準決勝までの5試合が行われた。

決勝戦は6月4日、同グラウンドで八幡市職労VS福知山市職連が近畿大会への出場をかけてたたかう。

7チームトーナメント対戦表(PDF 110KB)

新入組合員歓迎集会

出会いとつながりが広がる

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府本部は5月22日にホテルセントノーム京都で、2016新入組合員歓迎集会を開催した。11単組から64人が参加した。

はじめに府本部を代表して高橋直樹執行委員長があいさつ。

1部の講演は、岡本哲也書記長が、労働組合の組織の仕組みや人事院勧告に向けた取り組みの説明をおこなった。また、職場への不安、悩みをひとりで抱え込まず、少しでも早く誰かに相談してほしいと話した。

次に、乾眞治事務局長が自治労共済について、仲間の助け合いとして組合と一緒に取り組んできたこと、ライフプランとして可処分所得の増えることの説明。また、マイカー共済見積もりキャンペーンの紹介をおこなった。

2部は、玉口和毅青年部長の乾杯で交流会が始った。参加者同士の自己紹介も兼ねて名前でビンゴ、そしてテーブル対抗ゲームが行われ、賞品を得ようと会場は大いに盛り上がった。参加者からは「ゲームをつうじて交流ができ楽しかった」「同じ仕事の話をすることができ、つながりができた。参加して良かった」との感想が寄せられた。

府本部は、今後も交流を深めるイベントを開催する。積極的な参加をお願いする。

沖縄平和行進参加者レポート

復帰44年 今なお苦しめられている沖縄の現状

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米軍軍属による「女性遺棄事件」、帰京して数日しか経たない内に、このような非道で悲惨な事件がまたしても起こったことに悲しみと怒りを禁じえません。

また、全国の米軍施設面積の約74%が集中し、構造的差別の下での過分な基地負担・日米同盟のしわ寄せを受け、軍用機による騒音や事故、そして米兵や軍属による犯罪の危険に曝されている状況を再認識させられる事件だと思います。

「苛政は虎より猛し」悪政が人喰い虎よりも恐ろしいという言葉がありますが、「虎」が出る生活環境を強いられる現状を感じました。

5月12〜15日、読谷村から嘉手納町・北谷町・宜野湾市・浦添市を経て那覇市へ、爆音著しい嘉手納基地や世界一危険と呼ばれる普天間基地などの広大な米軍基地・関連施設の前を、そしてそのすぐ側で人々の生活が息づく街中を、全国から集まった多くの仲間たちとともに行進しました。

いよいよ嘉手納基地に差し掛かる頃、着陸していく軍用機が現れ始めます。その轟音は、平和行進に抗議する街宣車の大音量のマイクやスピーカーの音さえ掻き消すものでした。

とりわけ戦闘機の爆音は凄まじく、しかも地元の方に聞くと、普段はもっと回数も多く、離陸時はより酷い音がするとのことでした。

昼休憩時、私は周辺の住宅地を散策しました。以前、嘉手納町の知り合いに防衛局が空き家や空地を購入し、それらを「緑地」にしているという話を聞いていたからです。「緑地」は以後、家が建てられることもなく、ただでさえ米軍基地に圧迫されている住居地域を更に削り、地方自治体の都市計画・住宅政策を阻害しているのです。これにより基地周辺住民からの苦情が減ったと言えるのであれば、金を使った方便に過ぎないと思いました。ある晩、宿に「不発弾処理に伴う交通規制のお知らせ」が貼り出されました。沖縄戦では「鉄の嵐」と呼ばれる苛烈な艦砲射撃が行われ、その不発弾が今でもよく出てくると聞いていましたが、「戦後70年」と言われるなか、不発弾一つ取っても沖縄の受けた傷は深いのだと改めて感じました。

私はこの平和行進で沖縄の現状を知り、考え始めることができました。京都にも関西唯一の米軍基地が丹後にあります。個人個人が先入観や一面的な情報に捉われず、日本全体の問題として、沖縄のことを考え始めることこそ、たくさんの方の結論の内容を問わず、大切なことだと思いました。

最後に、沖縄では地元の方々には給水・応援など、ありがたい心遣いを頂き、御礼申し上げます。

(青年部・田中元貴)

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