2013年9月15日号(第685号)

雇用継続の取り組みをすすめよう

すべての労働者の処遇改善をめざして

photo
クリックで拡大(PDF 1.2MB)

自治労第86回定期大会(大阪)の冒頭あいさつで徳永前委員長は、公務職場の格差是正について言及し、「すべての労働者の処遇改善」のためには非正規職員の組織化が必要だと話した。

今や非正規職員は、自治体、地域公共サービスを支えるうえで欠かせない存在となっている。自治労は、非正規職員が雇止めの不安をなくし、安心して働き続けられるよう、これからも市民のためにより良い仕事を続けられるように、雇用継続に向けた運動をすすめている。

これらの取り組みの前進には、正規・非正規がともに問題解決に向かう体制づくりが必要だ。非正規職員の組織化に向け、取り組みをすすめよう。

2012年の自治労調査によれば、自治体に働く臨時・非常勤等職員は、70万人と推定され、今や臨時・非常勤等職員が、自治体業務の担い手として自治体、地域公共サービスを支える欠かせない存在となっている。そのような実態があるにもかかわらず、正規と非正規の間には、極めて不合理な格差が存在し、また雇止めなど不安定な労働環境は放置され続けている。

自治体では、業務が継続するにもかかわらず、臨時・非常勤等職員の雇用期間に上限を設定し、公募により新たに臨時・非常勤等職員を採用する団体が増えている。2012総務省調査では概ね3割程度の団体が上限設定をしており、昨年自治労の仲間になった国家公務員の東京ハローワーク非正規職員労働組合も上限は3年までとされている。自治労加盟の公共民間組合や社会保険職場でも非正規労働者の雇止めが大きな問題だ。

さらには、2013年4月施行の改正労働契約法は、5年を超える有期契約の無期契約への転換などを定めたが、これを回避するために3年又は4年といった雇用期間の上限を設定するなどの「脱法行為」が横行しており、公共民間や全国一般の単組に直接関わる課題となっている。このように、非正規労働者の雇用期間の上限問題は、公務も民間も含めた自治労全単組に関わる喫緊の課題だ。

自治労は、非正規労働者の雇用上限撤廃、雇用継続の組織的な運動を2013年から3年間のスパンで集中的な取り組みを進めている。

10月20日には東京で、自治労組織の内外にこの雇用上限問題を発信し、世論喚起をはかるために「臨時・非常勤等職員の雇用上限突破!全国集会」が行われる。

取組事例 嘱託職員の任用更新回数上限を撤廃〜S市職員労働組合

S市の臨時職員は更新5年上限だった。しかし、正規職員とほぼ変わらない職務を担う一方、5年では実務経験や技能が蓄積されないこと、職場によっては公募後も任用される職員が変わらないこと、一部の職の上限は7年であるなど課題の多い制度および運用が行われていた。組合は春闘要求などで制度の改善を求めてきたが、住民の採用応募への機会均等の確保を理由に改善は進まなかった。

組合は2009年に臨時職員の組合加入に向け動き出した。また組織内議員に雇止めの課題を理解してもらう取り組みもした。その結果、2010年9月議会で組織内議員から臨時職員の雇止め見直しと処遇改善を求めた質問が出され、市長は「専門的な知識や経験によるノウハウを必要とする職種を中心に人材を確保することは重要な課題ととらえ、勤務年数の制限の廃止、賃金制度については検討」と答弁した。

その後、2011年度に臨時職員から嘱託職員(地公法17条)に移行され職種に関係なく任用更新回数の上限は撤廃された。臨時職員の組合加入で、当事者が声を上げた成果だ。

橋本昭男候補落選

城陽市長選挙

9月8日投開票で行われた城陽市長選挙で、府本部が推せんした橋本昭男候補は得票第2位で落選となった。

この選挙戦にお寄せいただいた各単組・組合員のご協力に敬意を表し、心からお礼申し上げる。

(投票率46.45%)
橋本昭男 6506票(次点)

「違い」を理解し尊重しよう

男女がともに委員会が学習会

photo

府本部は8月29日、キャンパスプラザ京都で、男女がともに担う府本部学習会を開催。川端美智子さん(潟宴Cフキャリアデザイン・アソシエイツ代表取締役)を講師に迎え、「本音で語ってみない?仕事と生活〜”違い”を理解しあって関係性を高めよう〜」と題して講演とグループ討論を行った。参加者は11単組27人。

前半は、男女共同参画社会基本法の主旨やワーク・ライフ・バランスの意味について学習し、ジェンダーチェックシートを使って自分の中にあるジェンダーについて気づく機会を持った。

後半は、職場・家庭・地域など、生活のさまざまな場面で起こる悩みや問題について、イベントカードを使って参加者の思いや意見を出し合い、解決策などを話し合った。働き方や生き方、男女の関係性の話題で時間が足らないほど盛り上がるグループもあり、各グループから「思っている以上に自分が家事をしていないことに気づいた」「女性のお茶くみ問題についてアドバイスを受けた」などの報告があった。

今回の学習会では、男女がともに働き、暮らす中での思いや行動の違いを話題にすることで、他人のものの見方を尊重したり共感し合うことの大切さを学ぶことができた。

男女がともに担う府本部委員会では、男女がひとりの人間として生きやすい職場、家庭、社会をつくるために、どのような行動が必要なのかを考える場を今後も提供していきたい。

清掃労働者の課題を共有

府本部現評「清掃集会」を開催 9月7日

photo

府本部現評清掃部会は9月7日、職員会館かもがわで第6回清掃集会を開催。8単組から43人が参加した。冒頭、小島清掃部会長のあいさつの後、橋元府本部委員長、川戸現評議長から来賓あいさつを受けた。

議事では2012年度活動報告、2013年度運動方針(案)が提起され、全会一致で可決・承認された。各単組からは、地公給与削減に対する取り組みや、現業の新規採用者獲得に向けた取り組みなど多岐に渡る報告が寄せられた。

引き続き、内藤広治・近畿地連現評清掃部会副部会長を講師に迎え「大阪市における現業職場の現状について」と題した学習会を行った。橋下大阪市長は就任以降、「改革」の名のもとに労働組合、現業職員に対し攻撃を強めている。組合事務所の強制退去や労使関係に関するアンケートの実施、現業職員の非公務員化の公言など、人権や思想・良心の自由の侵害、パワハラなど、大変厳しいたたかいが紹介された。講師は、トップが変われば状況は一変する一例だとしながら、大阪が悪い見本にならないよう、全国の仲間に影響を及ぼさない取り組みを進めると決意を述べられた。参加者からの質疑応答のあと、中嶋副部会長の力強い団結ガンバローで閉会した。


平安賞
京都向日町競輪場・開設63周年記念競輪・GV
日時・9月21日(土)〜24日(月)の4日間
場所・向日町競輪場

京都競輪労組の仲間が働く京都向日町競輪場で9月21日からの4日間、GV・平安賞が開催される。はじめての人も参加しやすいよう、ファンサービスやイベントも行われる。

『自治労きょうと』一覧に戻る