2005年6月11日号(第503号)

地域給与への闘争体勢を強化〜自治労131中央委員会〜

人勧期、男女平等産別闘争、組織統合討議案など承認

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自治労は5月26日と27日の2日間、愛知県名古屋市つるまいプラザで第131回中央委員会を開いた。

一般経過報告では、2005春闘の取り組みや地域給与・給与制度見直し案の撤回を求めた行動の展開、また組織拡大と合併対策について植本書記長が報告した。続いて、国の基本政策検討委員会の最終報告を岡部副委員長が報告。会場前では他団体による自治労批判のビラ配布もあり、少し緊張感が漂った。松崎財政局長から会計決算報告、最後に西田監査委員から監査報告が行われた。

質疑はまず、大阪府本部が「この間の公務員バッシングとさまざまな報道についての説明と今後の見解」を発言した。そのほかの中央委員からは「地域給に対して中央本部の対政府・人事院交渉が不十分」「自民党が政策的に展開する公務員バッシングに防衛体制の強化を」「憲法改正や自衛隊の認識が後退した」「組織統合反対」などの意見が出された。

当面の闘争方針では、笠見副委員長が人勧期を中心とする闘いや男女平等産別統一闘争の取り組みを含む十項目を提案。金田書記次長が地公三単産と全国一般との組織統合を、松崎財政局長が産別財政構造改革案と予算案をそれぞれ提案した。

翌27日に方針に関わる質疑が行われ、地域給与制度は、自治労の存亡に関わる重要課題であり、全国での闘争態勢強化と省庁交渉で撤回を求めること、全国一般との統合についての賛否両論など、多くの中央委員から発言があった。

議案はすべて承認された。八月の定期大会は鹿児島で行われ、多くの重要議案が最終決定されることとなる。

地球は危機的な状態〜アースデイ環境学習会〜

今すぐ温暖化防止の取り組みを

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府本部は5月25日、アースデイ企画の一環として、環境学習会をホテルセントノーム京都で開いた。講師にはNPO法人「環境市民」代表理事の癘{育生さんを迎え、地球温暖化防止に私たち一人ひとりができることなどを学んだ。

先進諸国が大量生産大量消費を進め、森林伐採や二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を増加させた結果、地球は危機的な状況に陥っている。アラスカで永久凍土が解け、干ばつにより日本の全農地に匹敵する土地が毎年砂漠化し、海洋生物は死滅、伝染病がまん延し、集中豪雨により水不足に陥る。

人間の生活に不可欠な水、食糧、病気に関する深刻な問題となっている今、私たちが真剣に考えなければ、子どもや孫の世代に安全な地球を残すことはできない。統計によると、二酸化炭素排出量は家計から消費される割合が約半分。私たちが日常生活で削減に努力することが重要だ。

癘{氏は、本当に必要なものを必要なだけ買ってごみを削減する、待機電力を使用しない、省エネ家電を購入する、公共交通機関を利用するなど、無理をしないでもできることから即実行するよう呼びかけた。

国際労働のネットワークを構築

連合ヨーロッパ事務所勤務を終えて

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5月2日に連合ヨーロッパ事務所(ベルギー)での2年間の勤務を終え、家族全員元気で帰国することができました。自治労のみなさんの温かいご支援のおかげと心から感謝しております。

経済のグローバル化は、洋の東西を問わず、労働組合運動を厳しい状況に追いやっています。ヨーロッパでも「国際競争力の強化」を理由に、政府と使用者が「労働の柔軟化」をもくろみ、「週労働時間の延長」や「産別統一契約からの離脱」、さらには「雇用の国外移転をちらつかせる」など、労働組合は厳しい選択を迫られています。

このような状況下、国際レベルでは、ILOをはじめとする国際機関での労働組合の影響力の強化をめざしています。ICFTU(国際自由労連)とWCL(国際労連)は、この間幾度となく挫折した悲願の統一にむけて協議を進めており、来年にはこれまでにない、より強力な国際組織が誕生します。

ICFTUがこの統一方針を決定した昨年の宮崎での世界大会。この歴史的な大会に当初から関わりを持てたことや、PSI(国際公務労連)を含む多くの仲間とネットワークを構築できたことは、私にとっては良い経験であり財産です。

今後は府本部の役員として、自治労運動推進に向け、みなさんとともに活動して参りますので、これからもよろしくお願いします。

自治労京都府本部特別執行委員 岡本哲也

米軍基地の完全撤退を求めて(1)〜沖縄平和行進報告〜

辺野古住民「美しい海を孫の代まで」

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5.15沖縄平和行進に参加するため、沖縄に向かった。沖縄と言えば記憶に新しいのは、昨年米軍ヘリが沖縄国際大学へ墜落した事故だろうか。このような危険な事故は偶然起こったものではなく、住居地域に隣接して基地が建てられていることに問題がある。この基地の完全撤退を求めて平和行進に参加した。

沖縄平和行進は、3日間の日程で3つのコースから構成されており、ひめゆりの塔をはじめとした戦跡を行進する南コース、沖縄の土地紛争の始まりにもなった伊江島を出発し、嘉手納基地など基地に隣接した住宅街を行進する西コース、そして普天間基地の移設問題で紛糾している辺野古を出発し、キャンプハンセン、嘉手納基地などの市街地や住宅地を行進する東コースがある。今回、私たちが参加したのは東コース。

行進1日目は、辺野古にある基地移設のための調査を阻止するために建てられた、見張り小屋の前での集会から始まった。この小屋では2年半以上も24時間ずっと監視を続けておられ、そのメンバーのほとんどが辺野古に住む、ご老人の方たちだ。

話によると、夜中の3時ごろに突然、政府と調査のための業者、そして海上保安庁の船が辺野古の海にやってきたそうだ。調査に来るとは聞いていたが、それは日中の話であり、住民は寝込みを襲われたらしい。「その後、調査のためのやぐらは建てられてしまったものの、ボーリング調査用の鉄管は1本も立てさせていない」と語っていた。

見張り番の1人は「日本政府はジュゴンの住む美しい海を埋め立て、米軍基地を建設しようとしている。私たちはこの美しい海を孫の代、その孫の代に見せてやりたい。だから頑張っているんだ」と語ってくれた。 (次号につづく)

子どもの育ちは一緒

地連保育集会、幼保合同園を見学

5月27日から28日にかけて、滋賀県で近畿地連保育集会が開かれ、京都から4人が参加した。

政府の規制改革特区として幼稚園と保育園の一元化が今年から導入されたことに伴い、幼保合同活動を先進的に行っている滋賀県の甲良町立保育園の見学を中心にして実施された。

幼稚園と保育園の各々の組織は残しながら合同活動を行っている甲良西保育センターは、周りの田園と融和した園舎にはフェンスが無い。園庭は乳児、幼児に分かれ、乳児の園庭にはシロツメクサが咲いている丘があった。園舎内は職員の要望があちこちで生かされ、子どもたちもほっとする空間が色々な所で見ることができた。

園長の説明では、保育園と幼稚園の「垣根をとりはらう」との考えに基づき、子どもたち一人ひとりの育ちを大切にし、同じ保育、同じ教育が受けられる場所をめざして運営されているとのことだった。

府本部も京都保育集会を7月2日に京丹後市の峰山地域公民館で開く。多くの保育労働者の参加をお待ちしている。

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