2006年1月1日号(第518号)

地方自治確立と公共サービス充実へ

京都府本部活動への積極的な参加を

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新年明けましておめでとうございます。

2006年の今年は干支でいうと戌年。イヌは賢い動物で、視覚や臭覚、聴覚が優れ、太古から狩猟や番犬として人間の良きパートナーであり、現在では盲導犬や介助犬などとして福祉の現場で立派に役立っています。しかし、小泉総理がブッシュ大統領の「ポチ」とやゆされるように、従順な性格のマイナス面も持つ動物でもあります。このような点は自らの戒めとし、社会に対して五感を働かせて自治労運動を進めていくことを戌年の年頭にあたっての決意としたいと思います。

昨年9月の総選挙によって巨大与党が誕生しました。小泉総理の靖国神社参拝強行で近隣諸国からの批判が一層強くなり、国内ではますます小泉流の競争社会が進行し、弱肉強食の二極化社会がつくられつつあります。府本部では、地域給や査定昇給の導入など重要な越年課題を抱えていますが、とかく不安を抱える暗い社会の中で、地方分権・地方自治確立に向けて「質の高い公共サービス」の前進をめざした取り組みを進めていきたいと思います。そして、未来に夢の持てる思いやりに満ちた社会をつくっていきましょう。

こうした自治労課題の解決と、希望ある社会づくりに向けて、府本部活動への積極的なご参加とご協力を、本年もよろしくお願いいたします。

京野菜のおせちを楽しもう

地場産の金時ニンジンやエビイモを使って

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正月に欠かせないおせち料理。地方や家庭によって伝統や個性がさまざま。中でも京都では地元でとれた金時ニンジンやエビイモなどの野菜を使った料理が食卓に並ぶ家庭も多いだろう。京野菜が見直されている今、地場産の素材で美味しい料理を作ってみた。(レシピの紹介は京都市学校給食職員労働組合の丹波委員長です)

いもぼう

硬い棒鱈を水でもどしイモと長時間煮る。海から遠い京都ならではの料理。タラがイモの煮崩れを防ぎイモが鱈を柔らかくするという相性の良さから「夫婦炊き」とも言われる。

<材料>(6人分)エビイモ中5個、棒鱈(水で戻したもの)1kg、酒200cc、砂糖300g、濃口醤油200cc、薄口醤油50cc

<作り方>

  1. イモは皮をむき適当な大きさに切る。
  2. タラとイモをひたひたの水で25分ゆでる。
  3. なべに昆布をしき、ゆでたイモとタラ、材料がかくれる位の水を入れる。
  4. 酒、砂糖を入れてあくをとりながら1時間煮る。
  5. 濃口醤油、薄口醤油を入れて1時間煮る。

京雑煮

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白味噌仕立てで丸餅を入れる。白味噌は、江戸を「東京」、京都を「西京」と呼んだことから「西京味噌」とも呼ばれ、塩分が少なく上品な甘さが京都の人々に親しまれている。

<材料>(4人分)カシライモ(サトイモ・エビイモ)中4個、金時ニンジン1/4本、大根1/4本、油あげ1/4枚、丸餅4個、白味噌200g

<作り方>

  1. 大根、ニンジンは薄切り、イモ、油あげは適当な大きさに切る。
  2. 大根、ニンジン、イモをゆでる。
  3. 昆布とカツオのだし汁1200ccに白味噌を溶かす。
  4. 具と餅を入れてひと煮立ちさせる。

紅白なます

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大根とニンジンを使い、めでたい紅白の水引に見立てて、平安・平和を願う縁起もの。

<材料>(6人分)大根1本、金時ニンジン1本、塩小さじ2、砂糖40g、酢300cc、鷹の爪小1本

<作り方>

  1. 大根とニンジンは千切りにし、塩をまぶして20分なじませる。
  2. なべに酢と砂糖を入れてひと煮立ちさせ、輪切りにした鷹の爪を入れてさます。
  3. 大根とニンジンの水気を切り2.をあえる。

世界遺産−真言密教の聖地・高野山を散策

樹齢600年の大杉が戦国武将の墓を包む

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老杉に囲まれ、静かなたたずまいの奥の院。樹齢約200〜600年の大杉の林が参道に並ぶ墓碑を包む。戦国武将など名だたる人物の墓碑も連なる参道を歩けば、山の心地よい空気とともに霊場独特の雰囲気に触れることができる。弘法大師・空海が築いた真言密教の聖地・高野山。世界遺産にも登録された神秘な霊場は、観光地としても名をはせる。海抜約1000メートルの山上都市を訪れた。

歴史を伝え、感じるまち

和歌山県かつらぎ町を抜けて、くねくねと続く西高野街道(国道480号線)を登りきると、巨大な赤い建造物に圧倒される。高野山の正門「大門」がそれ。仁王立ちした金剛力士像2体が山を守る。山上には、総本山・金剛峯寺をはじめ107の寺院が霊場を形成。弘法大師信仰をはじめ、先祖供養などで多くの人が訪れる。

高野山と言えば「奥の院」。その参道には、あらゆる時代のあらゆる階層の人々の墓碑が並ぶ。参道入り口の「一の橋」から順に、大岡越前守、徳川頼宣、武田信玄、上杉謙信、伊達政宗、石田三成、明智光秀、豊臣秀吉、浅野内匠頭と47士、織田信長、春日局など。奥の院駐車場からの参道には会社などの墓碑も見られ、中にはシロアリ供養の碑やロケット型の墓碑なども。

このほか、山内には歴史的な建造物が多数。真言密教の根本道場である「根本大塔」は高さ48.5メートル。高さ、大きさともに迫力の建物。

総本山・金剛峯寺などの各寺院、女人禁制の時代があったことを伝える「女人堂」、重要文化財の数々を展示する「霊宝館」などを巡るのも高野山の楽しみ方。

宿坊自慢の精進料理

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高野山内にある107の寺院のうち、53寺院は宿坊としても観光客に利用されている。若い修行僧によるもてなしは一般の旅館にはない感覚。精進料理も各寺院自慢の味で、食べ比べるのもおもしろい。

筆者が訪れたのは、鎌倉時代の始め行勝上人により創建された蓮華定院。江戸期の大名の菩薩寺としての格式を今に伝える。昼食の精進料理(3500円)を予約。「精進」のイメージから質素な内容を想像していたが、品数は豊富。高野山が発祥の地の高野豆腐、精進料理に欠かせないごま豆腐のほか、里イモ、カボチャ、フキなどは加減の良いだしで煮付けてあり、天ぷら、そうめんでおなかも一杯。宿泊を兼ねるなら「般若湯」と呼ばれる酒をキューっといきたいところ。

足を伸ばせば龍神温泉

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無料になった高野・龍神スカイラインを快走すれば約1時間10分で龍神温泉へ。途中の護摩壇山では、展望台(有料300円)からのパノラマを楽しもう。要所に休憩場もある。観光協会に立ち寄り、山内めぐり、龍神温泉などへのアクセスなど気軽に尋ねるのも良し。

■問い合わせ

山内散策、宿坊での宿泊・食事などについては高野山宿坊組合(TEL0736-56‐2616)、または高野山宿坊組合・高野山観光協会ホームページ(http://www.shukubo.jp/)を参照。

■高野山へのアプローチ

〈車〉和歌山県橋本市からは国道371号線、同九度山町からは国道370号線、同かつらぎ町からは国道480号線に入る。紀伊方面からは高野龍神スカイラインを北上。

〈電車〉南海難波駅から高野線「極楽橋」で下車。ケーブルカーに乗りかえて「高野山」へ。駅前からはバス・タクシーで山内へ。

〈ハイキング〉南海高野線「極楽橋」からハイキングで高野山に入れる。「不動坂コース」は約2.5キロ、約50分で不動坂口女人堂へ。

人と犬との歴史

人と犬はいつから一緒に暮らしているのか

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犬が人間と一緒に暮らすようになったのは1万年前とも1万5千年前とも言われている。敵に反応し、人に危険を知らせるという能力ゆえに、人は犬を側に置くようになったようだ。

なぜオオカミが祖先と言われる犬が人と共生できるようになったのか。群れで生活する習性を持つオオカミは、家畜とは違った地位を持ち、家族の一員としてアピールできる能力を備えていたのかもしれない。

日本犬のルーツ

日本犬のルーツは「南方系」と「南方と北方との混血系」とに大きく分かれる。縄文時代には小型でキツネのような顔立ちの「縄文犬」がいた。やがて渡来してきた弥生人の犬との混血が進み「弥生犬」となり、柴犬、紀州犬、甲斐犬、四国犬などの元になった。一方、沖縄で生きてきた犬は琉球犬の祖犬に、また北海道の犬は北海道犬の祖犬となった。

時代によって違う

犬と人との関係

縄文時代の墓からは犬の骨が見つかり、人間と同じように埋葬されていたことから、縄文人は犬を大事にしていたと思われる。しかし弥生時代になるとバラバラの状態で骨が出土、解体のあとも多く見られる。縄文人のような狩猟民族には狩猟犬として貴重な存在であった犬も、農耕民族の弥生人にとっては番犬か食用犬としてしか役に立たなかったということだ。

なぜしつけは必要なのか

犬は群れ社会を形成し、順位階級制度という習性を持っている。犬は生後2カ月で飼主の着物や手を引っ張ったり、かんだりすることなどで自分の優位や支配性を誇示する。生後1〜3年にもなると完全にボスとしての地位を獲得、下位の者、つまり人間を従わせようとする。自己主張が強くなった犬は、服従しないものに対して攻撃的な行動をとる。たとえば、来客に対して威嚇や攻撃したり、散歩で飼い主を引っ張り回したり、すれ違う犬にほえたり。

このようにならないためにもしっかりとしつけをしなければならない。人に従うことを身につけさせることは、人間との共生をスムーズにさせ、幸福で満足感のある生活を与えることでもある。

家を建てるために 体験し、学び、納得する

積水ハウス総合住宅研究所 納得工房

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家を建てる。そこで暮らし続けるのであれば、できるだけ納得した家をつくりたいものだ。しかし、自分自身が住まいに何を求めているのか今ひとつつかみきれない、という方も多いだろう。そこで紹介したいのが、積水ハウスの体験型展示施設「納得工房」。ここには住まいに関するあらゆる体験設備がある。

ユニバーサルデザインを追求

ぜひ体験しておきたいのが、生涯住宅ゾーン。目や耳の老化や、身体が不自由になった状態を疑似体験し、段差や手すりの位置などを実際に確認する。この体験からは健康な時には気がつかなかった住まいの問題点や必要な部分が実感できるはずだ。そしてこのコーナーが追求するのは誰もが使いやすいユニバーサルデザイン。加齢による身体機能の変化だけでなく、妊婦や子ども、体型などの個人差を超え、誰にでも使いやすいデザインや住まい方を提案してくれる。

ライフスタイルにあう収納術を紹介

収納ゾーンもお勧め。整理・整頓チェックコーナーにはじまり、実際に生活用具が詰まった棚やクローゼットを使って、物の出し入れをしやすい高さ、棚の奥行きと物との関係などを確認。可動式の壁やクローゼットで収納前のスペースをチェックしたり、空間のゆとりなども具体的に体験できる。

暮らしの中心・キッチンやリビングも提案

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このほか、照明について学習・体験する照明ゾーンや浴室空間を体験できるアクアランド、地球環境と暮らし、IT技術が作り上げる快適な暮らしを体験する設備ゾーン、暮らしの中心ともいえるキッチンやリビングをさまざまな形で提案するキッチンゾーンなどがある。

図書コーナーやタッチパネルコーナー、住まいのなんでも相談室(予約制)などがそろい、より深く学習が進められるスペース、「住まいのアトリエ」(会員制)も用意されている。

今すぐ家を建てたいという人にはもちろん、将来の夢として考える人、今の暮らしに何か工夫を加えたいという人には必ず役に立つ。一度訪れてみてはいかが。

  • 交通/近鉄京都線「高の原」駅下車、徒歩15分
  • 見学可能日/休館日以外の午前9時〜午後5時(予約制)
  • 休館日/祝日、夏期・冬期休暇有り
  • 見学料/無料
  • 見学申込方法/電話にて予約
  • 見学内容/住まいに関する情報、体験コーナーを担当者の案内に従い見学
  • 申し込み・問い合わせ/納得工房案内推進グループ TEL0774(73)1105 (受付時間:午前9時30分〜午後5時30分)
  • URL http://www.sekisuihouse.co.jp/nattoku/index.html

2006新春企画〜山田知事と木村委員長の対談へ

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