2008年3月1日号(第570号)

「健全化法」指標など学ぶ

府本部地方財政セミナーに50人

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府本部は2月21日、2008年度地方財政セミナー(京都自治総研共催)を、メルパルク京都で開き、府本部執行部、単組役員を中心に50人が参加した。このセミナーは、国の新年度の地方財政対策についてポイントや変更点などを学び、自治体財政の理解を深めて組合活動に役立てるため開いている。今年度は、地方財政の展望と、公共サービスの課題について2本の講義を行なった。

セミナーは午後6時に開会。まず奈良女子大澤井勝名誉教授が「2008年度地方財政計画の特徴と財政健全化法のもとでの財政運営の課題」をテーマに講演。新たな財政指標により「早期健全化」や「財政再生」などの評価が今年度から始まることを受け、自治体の中には過剰反応して合理化を進めるなどの厳しい状況が予想されているが、講義では、健全化法の「実質赤字比率」など4つの指標の内容を説明。自治体への影響などを詳しく学んだ。次に、今年度予算における地方財政対策について解説。昨年の参議院選での自民党惨敗をうけ、地方法人特別税の創設や、地方再生対策費による配分などの「一定の格差是正」が図られることになったが、その内容は地方分権改革に背き導入されたものであると指摘した。従って必要となるのは、今後、地方交付税5兆円の復元とそれに向けた福祉・環境・医療・教育の需要積み上げの議論であり、準備を始めるべきだと提案し講義を終えた。

続いて登壇した京都自治総研平井斉己主任研究員は「地域に密着したまちづくり活動」と題して講義。 最初に、これまで京都市北区・楽只学区で実践してきたまちづくり運動の内容を報告。「自分たちのまちは自分たちで考えて」と取り組んだ住宅立て替えやコーポラティブ住宅の建設などの成果を紹介した。今後の展望として、「行政と住民の相互理解」「ソフト・ハード両面の追求」などの手法をボトムアップ方式で実施することが、これからの「行政と住民がともに進める」まちづくりをスムーズに進める上で必要な条件、と結論づけた。

府本部「労働学校」(仮称)開校へ

45歳以下対象、6月に

府本部は、単組幹部や府本部活動の中心を担う人材の継続的な育成をめざし、「府本部労働学校」(仮称)の開催を決めた。 今年度は6月27日(金)から1泊2日の日程を予定している。対象は45歳以下の単組役員・執行委員で、全体規模は二十五名程度。「楽しく、親しみやすく、わかりやすい」参加型内容を増やすことを基本に、カリキュラムを検討中だ。傘下単組からの積極的な参加はもちろん、労働学校の運営にむけたアイデア提案をよびかけている。

人材育成は、労働組合の組織強化にとって、最重要課題である。そして現在、次代の元気な活動を担う活動家を育てていく「教育活動の拡充」や、「系統的な教育システムの確立」が求められている。その目的の達成のため、本部が設置した「産別教育センター」。自治労本部は、各県本部での「労働学校」の継続した開催を方針化しているが、今回の府本部労働学校は、この教育センターからの支援を受け、プログラム編成や講師選定などを進める。

府本部は、運動の実践の中での活動家の育成はもちろん、この学校の実施により、体系的な人材育成をめざす。

自治研レポート募集へ

7月に自治研京都集会、進めよう参加準備

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府本部は「08自治研京都集会」を7月25日(金)午後から開催することを決定、各単組への自治研レポートの提出要請をはじめとする準備に入った。集会の成功にむけた、各単組の積極的な取り組みを要請する。

この集会は、隔年で開かれる「全国自治研集会」の前段の取り組みとして、開催年に毎回開くものだ。

前回の京都集会は、2006年8月に130人の参加により開いた。全体会(パネルディスカッション)と4つの分科会で構成し、応募レポートは21パートから23本が集まり、職場・地域での自治研活動の成果を報告、質の高い公共サービスの実現にむけ、熱心な討論が展開された。

今回の京都集会は、会場をメルパルク京都とし、午後3時から8時までの開催を予定。4月末までにレポート・発表者の募集、6月末をレポート提出期限とする。前回を上回る件数の自治研レポートが提出されるよう期待する。

いっぽう、今年の全国集会は、10月16日(木)から18日(土)の3日間、北海道・札幌市の「きたえーる」道立総合体育センターを主会場に開かれる。府本部では、京都集会への応募レポート募集を、全国集会への提出レポートとして募集する。さらに、 自治労京都市職が市民アンケートの取り組みにより「自治研中央推進委員会指定モデル単組」の指定を受けて臨む全国自治研。各単組からの参加を呼びかける。

「このままでは深刻な状況に」…メンタルヘルス学習会ひらく

<単組ニュース>笠置町職

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笠置町職員組合は、和束町など相楽地区の自治体職員に呼びかけ、府本部の協力も得て、2月20日、笠置町の産業振興会館で「メンタルヘルス学習会」を開催しました。

相楽地区の小規模自治体では、財政の逼迫や人員削減により、一人の職員が何人分もの業務を処理しなければならない状況になり、 「このままでは過重労働や職場ストレスが蔓延化し、うつ病等深刻な事態になりかねない」と、今後さらに厳しくなる職場環境を想定し、メンタルヘルス対策の学習会を呼びかけました。

学習会は、(財)京都工場保健会のカウンセラー山根氏を講師に招き、わかりやすく「職場のメンタルヘルス」について学びました。来賓として民主党・松岡保府議が来場、相楽地区の各自治体職員を中心に30人が参加し、管理職の姿もありました。

今後さらに、相楽地区の自治体で働く仲間と連携を図り、職員や職場、町が明るく元気に輝けるような取り組みを、継続的に進めたいと考えています。府本部はじめ皆様方の今後も引き続くご協力をよろしくお願い致します。【笠置町職発】

4月27日(日)、府立植物園で会おう

京都中央メーデー

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今年のメーデーは4月27日(日)、府立植物園で開催……第79回京都中央メーデーの開催概要が決まった。ここ数年、開催日を5月1日、会場を梅小路公園としてきたメーデーだが、今年はリニューアルしての開催だ。概要によると、式典とイベントは9時15分から午後2時まで。場所は、左京区「府立植物園」。「大芝生地」(写真)がメーン会場。

式典と、大抽選会が予定され、さらに植物園近辺のデモ行進(二コース)も実施する。他のイベントについても、家族参加型を柱に検討が進められている。プログラムが植物園の入場券や、抽選券としての役目を果たすよう工夫される。

緑の季節の休日、組合員の家族や友人どうしの参加を期待する。ぜひ今から、日程の確保をお願いする。

雨宮処凛さんも登場

ラボール学園・春の公開セミナー

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ラボール学園(京都勤労者学園)が、毎年好評を得ている、春の「公開セミナー」(全5回)を、今年も3月中に開催する。今回のテーマは「格差と貧困を問う〜働き方の多様性のなかで」。受講料は無料。参加をおすすめする。開催時間は、各回とも午後6時半〜8時半。会場は、ラボール学園。(第3回のみ京都テルサ東館2階セミナー室)。

申込方法は、はがき・ファクス・電話などでラボール学園まで(電話075・801・5925、ファクス075・812・1508)。京都市中京区壬生仙念町30の2、ラボール京都3階)まで、受講希望講座と氏名・住所・電話番号を知らせると、折り返し受講票が郵送されてくる。各回の内容は次のとおり。

  • 第一回…3月10日(月)「多重債務者はなくなるか?〜その背景を探る」講師・木村達也弁護士
  • 第二回…3月14日(金)「格差社会ニッポンで働くということ」講師・甲南大学熊沢誠名誉教授
  • 第三回…3月19日(水)「フリーターの今と未来は?出口なき若者たち」講師・小説家・エッセイスト雨宮処凛さん(インタビュアー・伊田広行さん)
  • 第四回…3月26日(水)「ベーシックインカムの構想とは」講師・京都府立大学小沢修司教授
  • 第五回…3月28日(金)「変わる労働法制〜労働契約法を中心に」講師・京都大学西村健一郎教授

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