アメリカ発の金融危機による世界的な景気後退・経済の減速。日本の実体経済にも大きな影響を与え、非正規雇用労働者を中心に「派遣切り」など厳しい労働情勢がもたらされる中、闘う09春闘。連合・自治労、そして府本部の方針をまとめた。
連合は、賃金抑制と物価上昇の中、労働者の生活防衛のためには「物価上昇に見合うベース・アップで生活水準を維持」し、日本経済を「外需依存から内・外需バランスのとれた自立的成長への転換」が必要、として8年ぶりの「賃上げ春闘」を闘う。
自治労はこの方針を踏まえつつ、09春闘を「公正な賃金・労働条件」などを実現する闘いとして、全国で取り組みを展開する。闘争の柱は
府本部は全国の動きと連動し、全単組での要求書提出・交渉実施、府自治振興課への要求書提出などに取り組む方針を6日の中央委員会で提案する。対自治体統一行動ゾーンは3月9日から12日、統一行動日は13日。
ストライキ批准投票は2月16日から20日を実施期間とする。特にこの間の取り組み結果を受け、意義と目的の理解を求め、高率での批准をめざす。
一方、連合京都の春闘期の日程については、まず2月12日に「春闘開始宣言集会」をラボール京都で開催し、情勢や戦術を学習。さらに、3月6日には「春闘勝利総決起集会」を円山野音で決行、ヤマ場へ向け官民労働者の総意で決意を固めあう。
なお、府本部第151回中央委員会は2月6日(金)午後2時から、中京区「京都市こどもみらい館」で開く。春闘方針や総選挙闘争をはじめとする第1号議案「当面の闘争方針(案)」の他、離籍役員候補者の選出、執行委員の選出などを提案する。
自治労は今年も「ストライキ批准投票」を全国で実施する。
本部は、春闘期に政府・自治体に対して要求書を提出し、1年間の賃金闘争をスタートする。人勧期など、たたかいの節目には、ストライキを含む産別統一闘争を配置している。
この投票の目的は、1年を通じてストライキ(上限2時間)の司令権を自治労本部・中央闘争委員会に移譲することにある。批准の成功によりストライキ体制が確立されるのだ。いっぽう、批准率は、本部や単組の執行部の運動に対する信任のバロメータとされる。
公務員のストライキは地公法で禁止されているが、ILOは勧告で「公務員の労働組合に権利としてのストライキを保障せよ」と日本政府に求めている。自治労もこの立場に立っている。厳しい情勢にあり、当局の不条理な強硬手段が予想される今こそ、つねに闘う体制が必要なのだ。
目的や意義について府本部単組においても理解不足が懸念されている。再度、ご確認いただき、投票率の向上を含め、高率での批准を実現しよう。そして、私たちの団結力と「たたかう決意」を内外に示して行こう。
南山城の医療を住民とともに考えようと、「やましろの地域医療を考えるシンポジウム」(主催…同「考える会」、共催…連合京都、後援…京都府・木津川市・笠置町・和束町・南山城村)を1月17日(土)に開いた。会場・木津川市いずみホールに、170人が参加した。なお同会は、府本部と京都自治総研が主体となった。
地域医療は、その地域のセイフティ・ネット、ライフ・ラインとして大切な、公共サービスだ。このシンポは、地域住民・医療従事者・関係者がともに地域の医療を考えるために開催した。
第1部は基調講演として、済生会栗橋病院・本田宏副院長が「医療崩壊の深層、再生への処方せん」を語った。厚生労働省の情報操作により引き起こされた医療現場や医療関係者の「崩壊の危機」、大切な生命がコスト論で切り捨てられようとしている現状を具体的に、ユーモアを交えながら説明。公共投資に偏った国家予算の使い方など旧態依然な社会のあり方の変革を訴えた。
第2部は、パネル・ディスカッション。関西学院大学の大谷強教授をコーディネーターとして、笠置町・伊左治医院医師の伊左治友子さん、松岡保府議会議員、住民代表の京一屋代表取締役・古川幸司さん、そして本田さんを交え、山城の地域医療を多角的な視点から討論。「公立病院は、地域住民や開業医など、さまざまな連携で存続させていかなくてはならない」との結論でしめくくった。
府本部・京都自治総研は、09年度「地方財政セミナー」を2月20日(金)、午後6時30分からハートピア京都で開く。景気後退が地方財政に急速な影響を与えている。自治体は、増大するセーフティ・ネットとしての役割を果たすため、どのような財政運営が必要なのかを2本の講演で探る。
まず「深まる経済危機と自治体財政」(講師・澤井勝奈良女子大名誉教授)。次に「京都市財政について」(講師・三尾敏郎自治労京都市職常任執行委員)。参加費無料。参加希望者は単組を通じて12日までに申し込みを。
府本部は1月22日、「男女がともに担う府本部委員会」の学習会を、トランスジェンダー・コメンテーターのコータさんを講師として招き、開催した(「トランスジェンダー」とは、身体の性と自己の認識する性が一致しないこと)。会場のメルパルク京都には12単組・48人が参加した。コータさんは、作家やギタリスト、野球評論家などで、文化・国境・性別・年齢・言語を超えた活動を展開されている。
講演でコータさんは、自分自身、男性であった過去と現在女性としての今を生きていて、男と女とは、「なんなんだろう?」男と女以前に人と、人としての尊重し合うことが大切ではないか、と会場に問いかけた。また、日本にはまだまだ男女の差はあるが、社会的立場として男女の責任感に違いがあってはいけない、と主張した。
参加者からは、普段と違った雰囲気の学習会となったとの声が聞かれ、好評だった。
今回の講演では、日頃の活動にもとづき、ジェンダーに限らず、あらゆるものを鋭い観点から捉えて、男女平等の社会への実現にむけた取り組みを進めることが必要、との提言を受け、盛況の中、学習会を終えた。