2009年3月1日号(第594号)

知事あてに13項目の春闘要求書を提出

府本部春闘が始動 2月24日

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府本部は2月24日、京都府山田啓二知事あての「2009年春季生活闘争にかかる要求書」を、橋元信一執行委員長から石野茂京都府自治振興課長に提出した。

要求書は13項目。主な内容は次のとおり。

  1. 自治体で働く全ての労働者の賃金を物価上昇分の1.6%引き上げること
  2. 地方自治体の賃金等の独自性を維持し、国の関与を排除するため、地域手当支給に関する総務省の措置等に対し強く抗議すること
  3. 新たな人事評価制度について、十分な労使交渉・合意により整備する、などを助言すること
  4. ワーク・ライフ・バランス憲章を踏まえ推進体制確立に努めること
  5. 府内全ての自治体に所定内労働時間の短縮(1日7時間45分・週38時間45分以内)を導入するよう働きかけること
  6. 単なる労働の切り売りや賃金抑制を目的としたワークシェアリングの導入はしないこと
  7. 自治体での偽装請負を根絶し、公契約基本条例を制定するよう努めること
  8. 恒常的な職につく臨時・非常勤職員に一方的な解雇・雇い止めを行なわず期間の定めのない任用とし常勤職員との均衡を図ること

府本部は今後、この要求書にもとづき交渉を進め、夏の人勧期、秋の賃金確定闘争にいたる通年のたたかいを強力に推進していく。

「賃上げも雇用も」で景気回復を

連合・自治労09春闘をたたかおう

「100年に一度」「底なし」と言われる世界的な経済危機の中で、連合はいよいよ09春闘を開始した。2月10日に「闘争開始宣言中央集会」を東京で開催。18日には自動車、19日には電機など大手が要求書を提出、いずれも4,000円前後と前年を大幅に上回る要求で、消費拡大・景気回復をめざしている。

この春闘では、猛烈なリストラに走る経営側に対し、われわれは「賃上げも雇用も」のたたかいにより、日本を外需依存から内需型へ転換させ、「労働を中心とした福祉型社会」の実現、景気回復を求めている。非正規労働者の雇用確保の取り組みも同時並行で進めている。

一方、連合京都は12日に闘争開始宣言集会を開いた。連合 中村正武副会長(電機連合委員長)から、今春闘を取り巻く情勢や方針、労使の課題などの講演を受け、今こそ「賃上げこそが最大の景気対策」と認識し、賃上げを確保することにより、雇用を守って行こうと決意を新たにした。われわれ官公労働者は、最大限の共闘体制により民間の仲間のたたかいを支援しよう。

自治労は09春闘「統一行動指標」を掲げ、全国統一行動を展開している。「対自治体統一行動ゾーン」は3月9日から12日。13日を全国統一行動日とし職場集会などを実施する。

今こそ、セイフティーネット再構築の時だ

府本部「地財セミナー」に60人 2月20日

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府本部は2月20日、2009年度地方財政セミナー(共催・京都自治総研)を、ハートピア京都で開いた。府本部執行部、単組役員を中心に60人が参加。このセミナーは、国の新年度の地方財政対策についてポイントや変更点などを学び、自治体財政の理解を深めて組合活動に役立てるために、毎年この時期に開いている。

セミナーは、まず澤井勝奈良女子大名誉教授が「2009年度地方財政計画の特徴と自治体の課題〜危機をチャンスに、新しいセイフティーネットを構築する」をテーマに講演した。

本年度の地方財政の特徴として、景気対策の必要があるため、実質的な地方交付税が15%弱の増加となったことを説明。さらに、世界的な経済危機をうけた追加経済対策となる「地域活性化・生活対策実施臨時交付金」をはじめとした交付が行なわれることなどを指摘した。

このような地方財政への追加支援の中に「雇用対策交付金」など、「財源も権限も地方にまかされる」新たな事業が生まれてきている実態があり、全国の自治体がこの機会をいかに活用していくかが重要だと主張。「危機の時代は、制度と予算が同時に動く時期だ。それは今までのやり方では社会の変化に対応できなくなっているから。今こそ新しいセイフティーネットを再構築する最大のチャンス」と呼びかけて講義を終えた。

続いて登壇した自治労京都市職常任執行委員(政策担当)三尾敏郎さんは「京都市財政について」と題して講義。市財政健全化プランの検証や、現行の「京都未来まちづくりプラン」を分析し、京都市の行財政改革の経過を解説。財政縮小のもとで公共サービスの質の低下が懸念される中、組合にも「なぜ公務としてその事業をやるべきなのか、説明責任が問われている」と述べた。

自治労、09年スト権を確立

批准率は71.79% 2月26日

自治労本部は2月26日の拡大闘争委員会で、2月16日から20日をゾーンとして実施した今年度のストライキ批准投票の全国の結果を集計し、71・79%の批准率でストライキ権が確立されたことを確認した。

これにより「年間を通して、一波につき2時間を上限としたストライキの指令権」が中央闘争委員長のもとへの移譲が決定された。09春闘を一年間の起点とし、単組・県本部・本部が一体となって全力でたたかいを進めよう。

 

【連載】「ゲンキの素 〜伝えたい、仲間のマジメなガンバリを〜」第1回

「苦労も不安もないわけじゃない、でも後継者育成をがんばりたい」

発電施設の技術主任者 城南衛管労組・川戸辰也さん

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府本部の仲間、城南衛管労組「クリーン21長谷山」の川戸辰也さんを訪ねた。川戸さんの主な仕事は「ボイラー・タービン主任技術者」。職場は3年前から稼働を開始した最新鋭のごみ焼却施設。余熱利用の発電装置の主任技術者として奮闘中だ。保守・点検、そして運転者の教育などを担当する。運転者は夜間のみ委託だが、その指導も大事な仕事。

「不安と言えば…施設の運転を担当していただいている委託の方に、この施設特有の事情を十分理解してもらっているかどうかですね。人命にかかわる事でもありますし。委託労働者は入れ替わりが激しく、現場主任として不安は絶えません」。

城南衛管で初の発電設備となった同施設だが、経済産業省の定期検査を稼働当初から担ってきたことなど、さまざまな苦労も。「未明の装置のトラブル。電話で呼び出され、現場にかけつけたこともあります」。

もちろん今の任務にプライドも責任感も感じているが、悩みは後継者育成。「自分一人しか装置のことがわからない現状は、組織のためにはならないですからね」。新しい手法や技術を導入する時のパイオニアとしての苦労は事務職でも現場でも同じ。「人を育てる重要性を、当局はもちろん組合ももっと認識してもらわないと」と表情を引き締めた。

ハードな仕事の合間のストレス解消方法を尋ねると、笑顔で「フットサルです。職場でチームを作って、月2〜3回の練習や試合が楽しみです」。35歳。1歳の長女の話を始めた川戸さんは、優しい父親の顔を見せた。

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