2011年6月1日号(第642号)

男女平等の実現にむけて要求・交渉を

LET'S CHALLENGE 2011男女平等産別統一闘争

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自治労は6月24日を統一行動日とする2011男女平等産別統一闘争を推進する。

職場の男女平等、男女労働者の仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)、男女間、正規・非正規、公・民の間にある格差の是正と均等待遇の実現の課題は、自治労組織をあげた最優先課題だ。そして、男女平等にかかわる諸課題は、社会、経済、組織の持続可能性の基盤となっており、地域公共サービス産別労働組合として、男女平等社会実現への取り組みを進める役割がある。対政府要求、地方政府要求、雇用主要求を3つの柱として、自治労本部・府本部・単組一体となった闘争を展開しよう。

府本部は5月18日に闘争委員会を設置し、単組での取り組みを推進するとともに、京都府や市長会、町村会へ男女平等政策について申入れることを決めた。

各単組においては、職場の実態を把握・検証し、ワーク・ライフ・バランスの推進、男女平等条例・計画の制定、次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画の充実・改善、性別を理由とした差別的取り扱いに対する是正措置など、行動指標八項目(別表)を盛り込んだ要求書を自治体当局や雇用主に提出し、交渉協議を行っていただきたい。

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具体的日程は、6月10日に要求書提出、6月10日から23日を交渉ゾーン、統一交渉日を6月23日、6月24日(金)は二十九分時間内食い込み集会を配置した統一行動日とする。

なお、要求項目を検討する際には、「レッツ・チャレンジ・男女平等の職場づくり」(要求ガイドブック改訂版(写真))を、ぜひ活用していただきたい。

行動指標8項目
  1. ワーク・ライフ・バランス憲章を踏まえ、ワーク・ライフ・バランスの推進体制を確立するとともに、行動指針の具体化をはかること。
  2. 地域の状況を反映した男女平等条例または男女平等参画計画を制定すること。
  3. 次世代育成支援対策推進法に基づく、「都道府県・市町村行動計画」および「特定(一般)事業主等行動計画」の実施状況を点検し計画の充実・改善を図ること。
  4. 職場の男女平等を推進しセクシュアル・ハラスメントのない安全で快適な職場を実現するための、労使協議の場を設定すること。
  5. 実質的な職場の男女平等の実現に向け、地方公務員第13条・雇用機会均等法、パート労働法を遵守する立場で、具体的な改善策を講じていくこと。
  6. 学歴別・経験年数別・雇用形態別・男女別平均賃金の実態を調査し、性別を理由とした差別的取り扱いに対して是正措置を講じること。
  7. 結婚・妊娠・出産・育児・介護などを理由に不利益取り扱い、退職勧奨や解雇されることのないよう、仕事と家庭の両立支援を拡充・促進すること。
  8. 臨時・非常勤等職員の待遇改善を講じていくこと。

特集インタビュー

オトコの育休は男性の意識改革から 府本部執行委員 吉村尚己さん(亀岡水道労組)

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子どもはかわいい。ずっと一緒にいたいが、育児休業なんて…そんなお父さんは多いことだろう。府本部執行委員の吉村さんは、亀岡市の男性職員として初めて育児休業を取得した。休業期間は第一子が1歳になってから約半年間。当時のことを振り返りながらお話を伺った。

▼育児休業を取得された理由を教えてください。

待ち望んでいた子どもなので、自らも育児にかかわりたいと思っていました。妻は出産後も働き続けると決めていたので、子どもが1歳になるまでは妻が、1歳から半年ほどは私が育児休業を取ることに。収入面での不安はありましたが、「なんとかなる」と思い育児休業を取得することにしました。

▼育児休業期間中は、どのように生活されていましたか?

1日目は、母親のいないことに気づいた子どもが泣き続け、私も泣きたくなりました。でも慣れてくると、子どもと毎日、公園や妻の実家に出かけました。公園では散歩中のおじいさんに声をかけられることもよくありましたし、周囲の目はあまり気になりませんでした。

▼育児休業を取ることで、気持ちや考え方に変化はありましたか?

家事も育児も仕事もバランスよくする女性はすごいと思いました。外で仕事だけをしている方がずっと楽ですよ。いくら父親が「子どもをお風呂に入れている」とか「オムツを替えている」と言っても、それはほんの一部であって、育児のいいとこ取りをしているに過ぎないと思います。最終的に母親に育児の負担がかかっているのです。

▼イクメンについてどう思いますか?※イクメンとは、育児を積極的に行う男性のこと

育児休業に関する制度が整ってきているので、男性はもっと育児休業を取るべきだと思います。
母親として大変な妻が、身も心も休まる時間を持つためにも父親がもっと育児で協力すべきです。

▼労働組合に望むことは?

取得にあたって組合に加入していることは精神的支えになりました。しかし亀岡市でも私の次は誰も取得していません。身分は保障されますが収入面で不安が残るのと、男性の育児に対する意識改革にどう組合が取り組むかが今後の課題だと思いますね。勝ち取ってきた権利を上手に使って、男性が育児を行うことが当たり前の風潮になればいいですね。

参考情報

厚生労働省は2010年「イクメンプロジェクト」を開始。2009年度1.72%であった男性の育休取得率を、20年後には13%にまで上げることを目標に掲げている。

自治総研がNPO法人へ

総会と記念講演を開く 5月24日

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京都地方自治総合研究所(以下、自治総研)は5月24日、第19回総会と特定非営利活動(以下、NPO)法人設立総会および記念講演を開催した。

総会は、府本部会議室において2010年度の事業報告と決算、2011年度事業計画案と予算案を原案どおり可決。引き続き行われたNPO法人設立総会では、設立趣旨や役員体制、定款などを確認した。

自治総研は1988年に京都地方自治研究センターとして設立、その時々の社会や地方自治の課題などについて研究活動を行ってきた。時代の転換期にあたり地方分権の進展に寄与する機関の必要性や、府内自治体や住民に広く開かれた研究所とするため、法人格取得の検討を進めてきた。今後は地方自治に関わる調査研究とともに、地域社会の振興や地域自治の創造に役立つ機関をめざす。

記念講演は「東日本大震災をテーマに、京都商工会議所で開催。参加者は60人。木村兼喜府危機管理防災課参事の「東日本大震災と災害支援」と題した講演では、関西広域連合として福島県を中心に支援にあたっていることや府内の防災計画について話された。

自治労の復興支援活動に関する報告では、その趣旨や作業計画、府本部が派遣したボランティアの活動内容などを説明。被災地の自治体職員の業務支援が、7月まで期間延長が決定されたことも報告された。

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