2018年11月15日号(第780号)

人勧準拠なら国と同じ制度を

2018確定闘争

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府本部は11月5日、京都府自治振興課と10月25日に提出した「2018自治体賃金確定要求書」について回答交渉を行った。交渉では、働き方改革や会計年度任用職員制度への移行について府の見解を引き出すとともに、市町村への適切な助言を求めた。府本部は10人、京都府から4人が出席した。

賃金・諸手当

能勢自治振興課課長は、府のスタンスとして府民目線を重視して市町村へ助言するとした上で、賃金要求について、「民間給与を注視し、国家公務員給与水準を考慮することを踏まえ、各団体において適切に判断するよう助言している。市町村の実情等を聞き、国に対して必要なことは要請していく」と回答した。

府本部は「昇格時号俸対応表がないなど人勧準拠といいながらも国の制度と違う自治体が散見される。府内で同じ仕事をする中で生まれる格差は労働組合としては許しがたい。財政的な問題も考えられるとの回答だが、まずは制度をしっかりと確立するべきではないか」と求めた。

人事評価制度について、「訴訟リスクもあり評価の給与反映は必要としながらも、絶対評価であるので原資確保のためにマイナスを作ることはない。市町村で適切に判断すべき」とした。

府本部は「人事評価制度は絶対評価ということだが市町村の担当者に理解されていない面もある」とし適切な助言を求めた。

府は「進んでいない自治体には個別に助言も行いたい」とした。

働き方改革

労働時間短縮などの働き方改革について、府は「重要な課題と認識している」とし、「時間外勤務の上限設定に関する条例制定や対象職場での36協定締結など、各自治体に積極的に助言する」と回答した。

府本部は、「36協定については事務職も混在しており進まない状況。上限規制は2・3月議会での条例制定をめざして、また、出勤簿ではなく厚生労働省のガイドラインに沿った労働時間管理をするように、府からも助言をしてほしい。人事委員会のない自治体では任用者の首長が労働基準監督機関としての役割と機能があり、責務を果たしてほしい」と求めた。

労働安全衛生

府内自治体の安全衛生委員会の開催状況は、89・1%で全国平均を下回っていることについて、毎回交渉で報告を受けるがあまり数字が伸びていないのではないか。自治体名の公表など具体的改善を求めたい」と求めた。

会計年度任用職員制度

会計年度任用職員制度について府は、「臨時非常勤等職員を地方行政の重要な担い手と認識し、2019年秋までの条例整備に向けスケジュール感をもって取り組むよう助言しているが、あまり進んでいないのが現状」と話した。

府本部は、「全国の会議では、財政的な負担がわからず検討しにくい現状で、期末手当を支給する分、月例給を下げて総額を合わせるといった悪い例が聞こえてくる。法の趣旨に基づいた助言を」と求めた。

府は、「各自治体担当者で制度の理解は進んでいるが、財政的負担がわからない状態で動きが取れず、近隣を見ながらとなっているのが実態。町村会でも学習会が開かれると聞いている。大きな課題と認識し各自治体と連携を取りたい」と話した。

最後に高橋委員長が「会計年度任用職員制度については、法の趣旨に基づく不利益のない制度設計を求める」として、交渉を終えた。

今年はミートボールとキャベツのトマト鍋

府本部現評「鍋−1GP」に出店

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府本部現評は、12月2日に笠置町で開催される「鍋−1ブランプリ」に昨年に引き続き市民アピール行動の一環として出店する。今年のメニューは「ミートボールとキャベツのトマト鍋」。八幡市職労現評も「カレー鍋」を出店する。

きじ鍋の町、笠置町で全国のご当地鍋を食べ比べ、美味しかった鍋への投票で優勝鍋が決定される。多数ご来場の上、府本部現評の鍋への投票をお願いしたい。

会場では、様々な催しがあり、物産展やステージショー、ボルダリング体験コーナーなども行われる予定だ。ただし、マイカーでの来場は混雑が予想されるため、交通公共機関の利用をお願いする。JR笠置駅から徒歩3分。

第9回全国ご当地鍋フェスタ

12月2日(日)9:30−15:30雨天決行
わかさぎ温泉「笠置いこいの館」ほか
入場無料

ボウリングとBBQで交流

青年部企画で未加入者対策

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府本部は10月21日、京都市・MKボウル上賀茂でボウリング&バーベキュー交流会を開催。11単組42人(男性32人・女性10人)が参加した。この事業は、組合未加入者の加入促進と交流を目的としたはじめての催しで、府本部青年部が企画・運営を担当した。

はじめに、岩田青年部長から、「今回の参加を通じて組合に親しみを持っていただき、単組を超えた交流を図って欲しい」とあいさつ。ボウリング場でグループ分けを行った後、各レーンでボウリングを楽しんだ。はじめは表情が硬かった参加者も、ゲームが進み、ハイタッチを重ねる度に打ち解け合うことができた。

ボウリングに引き続き、さわやかな秋晴れの中でバーベキュー。府本部女性部から草川部長が激励に駆けつけ、「青年部の企画は楽しいイベントが多い。積極的に交流を図ってほしい」とあいさつを受けた。すでに打ち解けた後であったため、和気あいあいと、活気にあふれていた。

参加者からは「大変満足し、非常に楽しかった、是非また参加したい」との感想もあり、年齢が近い他単組の人と知り合う良い機会となった。府本部では今後も未加入者の加入促進を進めていく。

「生きづらさ」の延長線上にある原因は

府本部男女がともに担う委員会

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府本部は10月23日、男女がともに担う府本部学習会をキャンパスプラザ京都で開催。性的マイノリティの人権課題などについて学習した。参加者は13単組37人(女22男15)。

まず、講師の仲岡しゅん氏は、男性から女性のトランスジェンダー(性別越境者・MtF)であることを自己紹介。戸籍上は男性の女性弁護士として活躍している。前半はLGBTについて説明した。LGB(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル)は性指向の違い、T(トランスジェンダー)は性の問題であること、その他にもセクシュアルマイノリティの種類があること、LGBTはセクシュアルマイノリティの代表的なものの頭文字で、「LGBTの男性」という使い方は間違っていること、さらに「性同一性障害」は医学的な診断名であり、そのように言われたくない人もいるため、今後はWHOの診断基準から削除されていくことも説明した。

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後半は、自身が男の子として生まれて現在に至るまでの性のあり方、アイデンティティの変遷を話し、学校や日常生活など、あらゆるところで男女で区分けされる世界の問題を指摘した。さらに、学童保育の指導員をしていた経験談では、自分の性について話を聞いた子どもたちは、次第に感覚で理解できるようになったと披露した。

また、他人の話としては理解しても身内になると受け入れられず差別と排除がおこると述べ、「もしカミングアウトされたら、カミングアウトされていることを大事にしてほしい。当事者の自尊心が上向くよう前向きな言葉をかけてほしい」「性のあり方は人によって違う。数が少ないことは貴重な個性だ」と強調した。

最後に、「セクシャルマイノリティが抱える問題は、女性であることの生きづらさ、男性であることの生きづらさの延長上にある。性差別や家制度など、人権が阻害されている生きづらさの原因を考えてほしい」と参加者に問題提起した。

子どもたちの未来を拓く

国際連帯救援カンパにご協力を

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自治労の「国際連帯救援カンパ」は1991年に始まり、これまで難民救援や児童労働禁止のキャンペーン、途上国の子どもの生活と教育の支援、労働組合権獲得や民主化のたたかいの支援などに活用してきた。

現在、世界の人口のおよそ5人に1人は、1日1ドル未満で生活していると言われている。貧困をなくし、すべての子どもたちが等しく、当たり前の教育や医療を受け、自分の生き方を選択することができる社会を作り出すために、「ワンコイン(500円)のカンパ」をお願いしている。500円あれば困難な状況にある子ども達に、約3人分の石鹸・歯ブラシ・歯磨き粉を買うことや、文字を覚えるための教材を10セット買うことができる。

各単組・組合員のみなさまには、趣旨をご理解いただき、心のこもったカンパへのご協力をお願いしたい。

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