2019年8月1日・15日号(第794号)

岸まきこさん初当選

第25回参議院選挙

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7月21日に投開票が行われた第25回参議院議員選挙で、自治労組織内「岸まきこ」さんが当選を勝ち取った。
京都選挙区では、立憲民主党の増原ひろこさんが惜敗した。長期に渡る取り組みを続けていただいた単組役員、組合員に感謝申し上げる。

同夜8時からのテレビの選挙特番が始まって間もなく「当選確実」の一報が流れると、東京・自治労会館に詰めかけた多くの支援者から歓声が沸きあがった。

岸さんは「全国の仲間の皆さんにお支えいただき、今日を迎えることができた。心から感謝申し上げる。全国の公共サービスの現場は多忙にも関わらず職員を減らされるなど、多くの悩みや課題がある。このまま安倍一強政治が続き、必要な人員や財源が確保できなければ、私たちの仲間や地域住民の暮らしを守ることができない。一人ひとりの暮らしを守るためにも政治が非常に重要だ」とあいさつ。さらに、「私にとっては、ここからが新たなスタート。多くの課題を解決するために、皆さんの意見を聞き、教えていただきながら、ひとつずつ取り組んでいく。そして、今後も『岸まきこ』を育ててほしい。どこに住んでも多様性が認められ、誰もが安心して暮らせる社会をめざしていく」と決意を述べた。

岸まきこさんは、立憲民主党比例代表候補のトップとなる15万7848票を獲得した。ご支援・ご協力をいただいた単組、組合員、ご家族、協力議員のみなさまに感謝申し上げる。

京都選挙区 増原ひろこさんは惜敗

定数2議席に対し、5人が立候補した京都選挙区では、立憲民主党の増原ひろこさんが23万2354票を獲得したが及ばず、惜敗した。増原さんは「力不足で悔しい結果となった。選挙戦で訴えてきた多様性を認め合う社会をめざして引き続き活動していきたい」と述べた。

具体的回答なく再交渉

2019人勧期中央行動

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公務員連絡会は7月25日、人勧期中央行動を実施。日比谷大音楽堂での中央集会ほか、霞ヶ関を一周するデモ行進と人事院前での交渉支援行動を行った。全国から3千人が結集し、京都からは6人が参加した。

交渉支援行動を終えた参加者は日比谷大音楽堂に再結集し、人事院局長交渉の報告を受けた。吉澤事務局長は交渉の概要を説明し「本日の交渉で月例給・一時金の状況を厳しく追求したが、人事院は具体的な回答を示していない。勧告まで2週間を切り、最終盤の正念場を迎える。最後まで引上げにこだわり交渉に臨む」と決意を述べた。8月上旬の人事院勧告に向け、私たちの要求実現を求めていく。

中央行動前段には、会計年度任用職員制度確立7・25要求実現中央決起集会が開催された。制度施行まで残された時間は少ない。法改正の趣旨に基づく処遇改善と、仲間づくりに向けた取り組みの強化が提起された。

府本部2019リーダーズセミナー

 

●とき
9月14日(土) 13時30分〜
●ところ
職員会館かもがわ(京都市中京区夷川上ル末丸町284)
●全体会
「タイムマネジメント研修」・「職場でできるヨガ」(仮)
●分科会
「職場自治活動のすすめ方」・「機関紙づくり講座」(仮)
●交流会
がんこ高瀬川二条苑

「ゆく水・くる水」を意識し蛇口の向こうを考える

水ジャーナリスト 橋本 淳司さんに聞く

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水道が整備された日本では、蛇口から安全な水が出るのが当たり前となっている。だが現実には、水道設備の老朽化や過疎地の水道維持困難、また水源地の環境破壊で生じる水質変化。さらに激変する気候で頻発する水害など、水を巡る問題は待ったなしとなっている。そこで、さまざまな水問題に取り組み、発信し続けている水ジャーナリストの橋本淳司さんに、「水」について私たちはどう考え、行動していけばいいのかを伺った。

水問題は待ったなし

日本人の多くは、水について安さとおいしさにしか興味がありません。蛇口から水が出た時点で私たちは消費者になってしまい、蛇口の向こうの水に興味を持たない。

自宅に来る水はどの水道管を流れてきたのか、浄水場はどういう浄水場か、さらには水源はどこにあるのか、それがわかることを水リテラシーと言います。これを身につけておくことが、水の恵みを享受し、水の脅威から身を守るためには大事です。

水への意識を高めるためにはどうすればいいのでしょうか。

私が広く伝えているのは「ゆく水・くる水」。つまり自分の家に来る水と出ていく水を意識することと、水リテラシーを身につけることです。

具体的に言えば「くる水」には、まず水道があります。そしてペットボトル水、雨水を活用する人もいる。また、食べものや衣料品にも水が使われており、これは姿を変えた水です。一方「ゆく水」は、台所や風呂、トイレから下水として流れていきます。あと食べ残しなどの形で流れていく水もあります。

この「ゆく水・くる水」について、例えば東京では多摩川上流の水源に降る雨がどう染みこむかを見たり、家で流した水が海まで流れていく過程を学習しました。学習することで、住んでいる街での水の流れや問題が見え、水に親しみが持てるようになります。

持続可能な水資源を考える時、水へのアクセスも含めて考えなければなりませんね。

水道の持続を将来にわたって安定させるのが一番重要だと考えています。ただ水道は都市にあったソリューションなので、例えば、山の上に住んでる3人の人達のために都市と同じような水道設備はできません。そういう所では小規模な浄水施設、井戸水、雨水活用など、住む人に都合のいいインフラに切り替えていく必要があります。

臨時国会で水道法改正案が審議されました。事実上の民営化と言われていますが。

水道は100年とか200年のスパンで考えるもので、街にとって重要なインフラストラクチャーです。民営化については、現時点での比較と将来世代にどんな水道を残すかという両方を考えなければいけません。そう考えると将来世代に良い水道を残しやすいのは、原資を100%サービスとして使える公営の方です。

この水道法改正案で提案されているコンセッション方式の最大のデメリットは、25年とか30年の長期にわたる契約で、柔軟性がない点です。整備などについて長期的な計画を立てますが、多発する災害や人口減少などの状況変化に対応できません。お金が得やすくて民間ノウハウが使えると言われますが、民間が経営することで経営内容が不透明になったり、契約とモニタリングがすごく複雑になったりします。

少ないお金の中で水道を最適化していくダウンサイジング、つまりその地域で運営可能な水道へと小さくしていく必要があります。

環境や森林の問題も水を語る中で重要だと思いますが。

「くる水」の出発点がそこです。最近、「森林を保全するところから水道を考えていかないといけない」という水道管理者の方が増えてきました。例えば森林が荒れてしまった山の下が水道の取水地だったりすると、雨が降ったときに濁り水が出ます。それをお金をかけてきれいにしないといけない。きちんと森林を保全していればきれいな水が取水でき、水道のコストも下げられます。植林や間伐をボランティア活動として行うことが自分たちの飲む水を守る活動になります。

最後に一言

もともと自治の基本は水を得ること。歴史を振り返ると、水を得て治水をコントロールできたところに街ができました。つまり水は生きる上での基本です。職場にも自宅にも「ゆく水・くる水」があります。この両方を意識し、命の水について考えてほしいですね。

★水ジャーナリスト 橋本 淳司さん
【プロフィール】1967年群馬県生まれ。学習院大学卒業。水ジャーナリストとして水問題やその解決方法を調査、発信。アクアスフィア・水問題研究所を設立し、水問題を解決する活動を行っている。

沖縄の苦難と相談対応を学習

JI−UP京都第9回パワーアップセミナー

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府本部JI―UP京都は6月29日、第10回パワーアップセミナーをウイングス京都で開催。7単組25人が参加した。

最初に、元朝日新聞記者の土岐直彦さんから、「沖縄苦難400年終わらぬ闘い〜薩摩侵略、王国併合、米軍政、要塞化、辺野古〜」と題した講演を受けた。土岐さんは、主権国家であった琉球王国が侵略された歴史から、15万人もの沖縄の人達が犠牲となった沖縄戦、米軍基地のために土地を奪われた沖縄県民の苦悩と戦い、日本にある基地の70%を沖縄に集中させている日本政府の理由、日米地位協定の問題など、「基地問題」とひとことで語れない内容について詳細に説明された。

次に、京都ユースホステル協会職員組合の米田光晴委員長が講師となり、「職場の悩みや問題を相談されたときにどの様に対応するか」をテーマにグループ討議を行った。相談を受ける側の対応の違いを確認した後、3つの事例をあげて、相談者から内容を聞き出す聴き方について話し合った。

2つのテーマを研修した参加者は「これからの組合活動につなげたい」と語った。

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