2019年11月1日号(第798号)

ひとつでも、前進回答めざそう

2019現業・公企統一闘争

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自治労は、2019現業・公企統一闘争を通年闘争とし、「自治体現場力の回復による質の高い公共サービスの確立」を基本的な目標として取り組みを展開している。府本部は10月18日に自治振興課交渉を実施、10月24日に総決起集会を開催した。

総決起集会

総決起集会は10月24日、京都テルサで開催。9単組から82人が参加した。

冒頭、主催者を代表して川戸闘争本部長・現評議長が「現業・公企職場を取り巻く環境は厳しい。当局にしっかりと現場の声を届け、課題解決に向け継続した要求を行うことが組合として唯一の武器となる。今後も国、当局からの現場職場への攻撃の手は緩まない。私たちの要求に対して満足のいく結果は少ないが、ひとつでも前進した回答をめざして闘い抜こう」とあいさつ。評議会を代表して、野津公企評議長が「地域住民に必要な水を安全、安定的に供給するため、すべての単組で要求・交渉を」とあいさつした。

続いて、谷口闘争本部事務局長が府自治振興課の回答主旨と府本部の考え方を説明した。

単組報告では、京都市学給労から住民アピールの取り組みについて、「笠置町で開催される鍋1グランプリの出店や、毎年京都市の成人式で新成人に懐かしい給食の一品を提供し、学校給食が直営で担うことの必要性を市民にアピールしている。直営だからこそ、子どもたちに安心で安全な給食を提供できる」と直営の意義を訴えた。

最後に、岡本副闘争本部長が「確定闘争につながる闘いを展開しよう」と団結ガンバローで閉会した。

人員削減は「限界」

府自治振興課交渉

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府本部は、10月18日、京都府自治振興課と6月に提出した2019現業・公企統一闘争要求書について交渉を行った。府自治振興課は能勢課長ほか2名が出席。府本部は川戸闘争本部長ほか6人が出席した。

人員の確保について府は「人員削減は限界に近いと認識しており、安全かつ良質な公共サービスを確実・効果的に適切に実施していくためには、仕事の質を高め人員の適正配置を図る必要があると考えている。権限移譲などで仕事量が増加しており、人員確保が必要な場合があると市町村に意見を申している。また民間委託等で行政サービスの低下に繋がらないよう危機管理および災害対策の観点から労使協議の上市町村の判断でおこなうことが重要となる」と回答。府本部は、「現場の実態として限界を超えている。災害対応や技術の継承の問題など人員確保は急務であり、行政サービスを維持・改善するためにも、府として現場の職員の必要性をもっと市町村に助言していただきたい」と述べた。府は、「採用し人員が増加している自治体もある。住民への説明がつけば、自治振興課から良い悪いの助言をすることはない」と回答し、そのためにも労使交渉は重要であるとの見解は一致した。

36協定など協約締結について府は、「法に基づいて適切に対応されている」と認識を示しながらも管轄外でもあり実態を把握していないのが現状。府本部は「働き方改革で法律が変わってきている中、自治体における36協定の締結義務職場について市町村へしっかりした助言を」と要請した。

また、現場職員への人事評価制度について「一人職場や学校給食では評価者が職場に入れない矛盾も生じている。先に給与反映ありきとならないよう」に求めた。府は「給与反映は必要。人材育成の面からも総務省モデルありきではなく労使でしっかりと協議し、各自治体にあった制度の確立に向け助言する」と述べるにとどまった。

その他、災害時の対応や水道事業におけるコンセッション方式の導入等について府の見解を質し、最後に川戸闘争本部長が「よりよい住民サービスを行うには人員の確保が重要。住民の安心・安全というめざす方向は同じ。京都府として各自治体に助言をしていただきたい」と述べ、交渉を終了した。

離職餞別金等不支給問題に関する闘争終結

京都競輪労組

京都競輪労組と府本部は離職餞別金等の不支給問題について、2016年9月から闘争を重ねてきたが、10月18日京都地方裁判所で和解が成立。同日、闘争報告集会を開催し、これまでの経過と闘争の終結について報告した。

京都競輪労組は「2017年4月からの包括民間委託の提案」について、労働条件や離職時の条件を当局と交渉を積み上げてきた。離職餞別金の交渉では、雇い主都合による解雇となるため通常退職時よりも加算した金額の支払いについて概ね合意に達していたが、京都府は他場における判例を期に、労使の確認を反故にする態度に変化。単組と府本部は、京都府労働委員会へのあっせんや、不当労働行為の救済申し立てと並行して、京都地方裁判所に労働協約違反による支払訴訟をおこした。

2年間12回におよぶ口頭弁論の末、裁判所による和解案が提案され、「請求額の4割相当額を被告が支払うとする案」で組合も了承した。京都府も10月2日の府議会で議決されたため、10月18日に和解が成立した。

京都競輪労組の安藤前委員長は、「非常に厳しい結果で満足のいく額とはならなかったが、長年の取り組みに感謝。これから前を向いて活動したい」と決意を述べた。

組合の役割は「情報提供」

第3回じちろう京都共済集会 開催

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府本部は9月27日、エクシブ京都八瀬離宮にて第3回じちろう京都共済集会を開催。11単組39人が参加した。参加者は「自治労の組合員だからこそ加入できる」おトクな共済の制度について学習した。現在、全労済自治労共済京都府支部では2020年4月発効の一斉募集をおこなっている。各講師が「組合員なら入らないと損」と語る自治労共済をあなたも活用しよう。

集会では始めに、全労済自治労共済本部の杣谷直彦副本部長より「労働組合が共済活動に取り組む意義」と題した基調提起を受けた。杣谷副本部長は、「営利目的の民間保険とは異なり、利益を追求しない共済だからこそ、掛金を抑えて充実した保障が提供できる。つまり共済活動が組合員の生活を守ることに繋がる」と説明した。

続いて、全労済自治労共済本部の矢田博史さんが「護る!じちろう共済〜伝えるのはあなたです!」と題した紙芝居を上演。矢田さんは、「リスクの低い自治労の組合員しか加入できないからこそ、おトクな掛金かつ充実の保障が実現可能だ。民間保険では手数料や広告宣伝費が保険料にプラスされるが、仲間の共済制度を自分たちで作っているから掛金負担を軽減できる」と力説。その後、じちろう共済の各種共済制度について具体的な事例を含めて説明。団体生命共済の不慮の事故による通院は、入院しなくても5日以上の通院があれば給付対象になることや、長期共済が退職に向けた資産形成に活用できること、さらに、じちろうマイカー共済の強みである失職を防ぐ取り組みと団体割引15%適用など、「知っている人だけが得する制度ではダメ!」と、各共済種目について力強くアピールし、加入拡大を訴えた。

最後の研修では、FPハーベスト代表で独立系ファイナンシャルプランナーの瀬戸家みのりさんが、「人生100年時代に備える〜知って得する資産形成のマメ知識」について講演。瀬戸家さんは、最近話題となった「老後2000万円問題」に触れながら、人生を豊かに過ごすためには計画的にお金を貯めていく必要があることを、優しい口調ながらときに厳しく訴えた。さらに、「共済や保険は、入ったら終了、ではなく、定期的に必要な保障額を確認しながら見直すと無駄な出費がなくなる」「消費税10%時代にはキャッシュレス決済を有効活用すると、割引やポイント付与で日々の出費を抑えることが可能」と説明すると、「なんちゃらペイ」という単語が会場内のあちこちで囁かれた。身近な話題から資産形成を考えるきっかけにもなった。

組合員なら入らないと損

知って、比べて、見直しを

なお、組合員しか利用できないじちろうのセット共済は、現在、継続募集期間となっている。組合員にとっては、じちろう共済制度を活用して保障の見直しができる1年に一度のチャンスである。繰り返しになるが、じちろう共済は自治労組合員のみが加入できる制度である。退職間際になってじちろう共済を知り、「もっと早くに入っておけばよかった」という声も毎年聞こえてくる。知らずに損をするのは非常にもったいない。この集会をきっかけに組合の役割である「情報提供」力を思い出し、組合員へじちろう共済制度の周知徹底を図ってほしい。

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