2019年11月15日号(第799号)

法の趣旨に基づき対応を 会計年度任用職員制度

2019確定闘争

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府本部は11月8日、京都府自治振興課と10月29日に提出した「2019自治体賃金確定要求書」について回答交渉を行った。交渉では、働き方改革や会計年度任用職員制度等について府の見解を引き出すとともに、市町村への適切な助言を求めた。府本部は8人、京都府から4人が出席した。

賃金・諸手当

能勢自治振興課長は、府民目線を重視し市町村への助言を行うとした上で賃金要求について、「人事院勧告に準じて取り扱うことが適当であるが、各市町村で住民理解が得られるよう適切な判断をお願いする。住居手当は国の見直しを踏まえて適切な対処が前提となる。地域手当は、特に府南部地域での格差改善に向け総務省に引き続き要請する。定年引上げの検討について、論点を国から説明を受けた。市町村に情報提供をしたい」と回答した。

府本部は「これまでの給与構造改革や総合的見直しを含め給与水準は6・8%下がっている。ラス指数が100でない自治体は制度に問題がある。ラス指数100に到達しない理由を労使で確認するよう助言をお願いしたい。住居手当は地域で事情が異なり、労使協議の内容を尊重していただきたい」と求めた。

人事評価制度について府は、「総務省の圧力もあり、人材育成の面からも評価結果に応じた処遇への反映は必要。各市町村で労使協議の上、適切な制度確立に向け助言したい」と回答した。

府本部は「4号給を超える昇給の割増原資の確保も含め、しっかりした制度を労使合意で決めたうえで反映されるべき」と適切な助言を求めた。

働き方改革

労働時間短縮について府は「職員の健康管理、ワークライフバランスの推進から最も重要な課題。厚労省のガイドラインを活用し適切な対応を求める」とし、時間外労働の上限規制は、「12月までにすべての自治体で条例化がされる」と回答した。36協定については「各市町村で十分認識していると考えていたが未締結の職場もある状況。労基署の管轄ではあるが各市町村の締結状況について確認し、必要な助言を行いたい」と話した。

府本部は、「自治労は事務職も含めて36協定に準じた協定締結を求めている。まずは法律で求められている事業場について適切に対応するよう助言をお願いしたい」と求めるとともに、男女平等の観点から「女性活躍のための研修制度の充実」を求めた。

会計年度任用職員制度

会計年度任用職員制度について府は、「臨時・非常勤等職員は地方行政の重要な担い手となっており、来年4月からの導入に向け、制度設計や任用、勤務条件など抜本的に行う必要がある状況だ」とした上で「各市町村には期末手当の支給、処遇改善を含め適正な勤務条件が確保されるよう助言している」と回答。府本部は、「フルタイムからパートへの置き換えや一時金を支給するために月例給を下げるなどの例も聞く。法の趣旨に基づき、しっかりとした助言をお願いしたい」と求めた。

府は、「財源の担保がなく各自治体も動きにくい状況。総務省も財源についてはしっかり対応すると言っているので、法の趣旨を逸脱しないよう注視したい」と述べた。

最後に、高橋委員長が公契約や指定管理について「例えば5年間の契約で入札した企業も、ノウハウが蓄積され定期昇給分の人件費は増加している。しかし入札費用は5年前より上げられないという実態がある」と行政サービスを低下させない制度の構築を求め、交渉を終えた。

安全衛生活動は職場の身近な事例から

府本部労安学習会

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府本部は、10月9日と17日にハートピア京都で第1・2回労働安全衛生学習会を開催。延べ7単組25人が参加した。

労働衛生コンサルタントの篠原耕一さん(京都労務トラスト代表)を講師に「安全衛生活動について」と題した講演を受けた。篠原さんは「職場の労働災害を防ぐためには、現場のことは現場に訊き、労使一体となり対策を考える安全衛生委員会活動が重要だ」とし、安全衛生活動の意義や必要性について次のように説明。「危険を防止する『安全』と、病気や有害を防止する『衛生』では基準や管理の仕方が違う。組織が職場における安全衛生対策を推進することは、最前線でモノやサービスを生み出す従業員の心身の健康を保持・増進することが、生産性やサービス向上のために欠かせない経営上の重要事項であると同時に、法令で義務付けられた労務管理上の重要事項であるという視点が必要だ」。

次に、安全衛生活動が活性化できない・しない原因を説明。活動の必要性を感じないことに対して講師は「地震や感電など身近な事例や、国や自治体で行っている強化運動と連動し、年間・月間のスケジュールを考えることが大事。書面や資料の形を整え、知識を継承すること、学ぶ機会を設けることが労働災害を防止するだけではなく、委員会を活性化させる」と話した。

近年は、ケガだけでなく、長時間労働やストレスによるメンタルヘルスの労災申請が増加している。法は時代に合わせて改善されているが、それだけでは防ぐことはできない。「労使でつくる」安全衛生委員会の活動が働く人とその家族、そして職場を活性化することになる、とまとめた。

すべての職場から労働災害を一掃しよう

12.6職場集会

自治労は、労働災害の多発が懸念される年末年始の繁忙期に向け12月6日に、現業職場の労働安全対策の充実に向け、「現業職場からの労働災害を一掃するための職場集会」を実施し、取り組みの強化を図る。

この取り組みは、1985年12月に2件の死亡事故が起きたことをきっかけに、2度とこうした事故をおこさない職場づくりをめざしている。

各自治体の現業職場における労働安全衛生体制を確立し、労働災害を一掃する取り組みを強化するため、当局責任での始業時職場集会などを実施しよう。具体的課題としては、@集会実施前に、安全衛生面からの職場点検活動を実施する。A安全衛生委員会の開催を要求し、上記@の点検結果について審議する。B当局責任での、職場全員に対する安全衛生対策の徹底のため諸施策を求める。C作業前の安全体操の実施。

すべての職場からの労働災害を一掃するため取り組みを進めよう。

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