2020年5月15日・6月1日号(第808号)

職場の人員足りてますか? チェックリストで職場の点検を

2020人員確保闘争

イラスト

新年度が始まり、人事異動や新規採用職員の配属、会計年度任用職員の配置など新しい体制でスタートした職場も多い。今年は新型コロナの感染防止のため時差出勤やテレワークもあり平時の体制が組めない職場もあるが、通常時でも皆さんの職場の人員は足りているだろうか。

地方公務員の一般行政職員数は、集中改革プランにより大幅に削減された。2015年から増員に転じているものの、ピーク時の1994年から比べると2019年では約54万人減少している。

一方で、自治体職員の業務量は新たな行政需要などで増加しつづけ、結果として心身に支障をきたしメンタル不調による長期病休者は15年前の約2・8倍になっている。また人員に余裕がなくなったことで技術継承が十分に行えず、大規模災害などの対応で必要な職種の維持が難しくなっている現状もある。

人員不足が公共サービスの質の低下を招くとともに、長時間労働などの問題が発生しているため、必要な人員の確保は最優先で取り組まなければならない課題だ。

自治労は「人員確保闘争」を通年の課題として取り組みを進めている。具体的には「人員確保チェックリスト」(別表・例)を活用し、職場ごとに4月時点で必要な人員が確保されているか点検・把握を行う。各単組はその職場からの人員要求を積み上げ、各自治体の採用募集時期や予算編成状況等を考慮し、5〜10月の交渉ゾーンに要求・交渉を行い、次年度の採用に反映させる取り組みが必要となる。

皆さんの職場は適正な人員配置となっていますか?時間外労働は増えてませんか?有給休暇や代休は取れていますか?

今すぐチェックリストを使って点検し、職場の仲間と話し合ってみよう。

自分の職場を点検しよう(例)
2020年4月1日時点(または、2019年4月1日時点)
実質配置人数(正規職員数ー長期休職者)
5人
正規職員数 6人
うち長期休職者 1人
2020年4月1日時点(または2019年4月1日時点)
会計年度任用職員、臨時・非常勤等職員数 見込
2人
2019年度(または2018年度)の実質配置人数全員の年間
時間外勤務等および2020年度業務量増加見込の合計
2100時間
(1人あたり平均420時間)
内訳時間外勤務時間
(不払い・持ち帰り含む)
1500時間
(1人あたり月平均25時間)
2020年度から増加する業務時間見込
(例:A係からB係へ担当替え)
300時間
(1人あたり月平均5時間)
緊急対応業務時間見込
(例:豪雨等災害業務)
300時間
(1人あたり月平均5時間)
2019年度(または2018年度)
実質配置人数全員の年間年次有給休暇取得日数見込
50日
(1人あたり平均10日)
年間年次有給休暇目標取得日数 100日
(1人あたり平均20日)
具体的要求人数(正規社員として) 2人
臨時・非常勤等職員からの正規化を求める人数 1人
時間外相当分から要求する人数
※下記計算式参照
1人

●時間外相当分の計算式

(年間時間外勤務時間等の合計+(年間年次有給休暇目標取得日数−取得日数)×7.75時間)÷年間勤務時間
※年間勤務時間は1860時間(7.75時間×月20日×12ヶ月)と仮定

上記を計算式に当てはめると

(2100時間+(100日−50日)×7.5時間)÷1860時間=1.337≒1

※年間勤務時間は1860時間(7.75時間×月20日×12ヶ月)と仮定

新型コロナウイルス感染症に関する川本委員長メッセージ

 

新型コロナウイルス感染予防のため、政府は5月4日に緊急事態宣言を延長した。奮闘する組合員への川本淳自治労中央委員長の激励メッセージを紹介する。

現在、地域医療、福祉、学校、清掃をはじめ様々な職場で厳しい状況が続いている。みなさんの困りごとや不安などの声は、各単組や府本部に届けてほしい。

全国で奮闘する組合員の皆さんへ

新型コロナウイルスの感染拡大に未だ収束の目途が立たない中、社会生活基盤を支えるために日夜奮闘している仲間の皆さんに、改めて、心から敬意を表します。

政府は5月4日、緊急事態宣言を5月31日まで延長しました。補正予算成立後も、休業助成の拡大や感染防止の生活様式の提示などの対策を打ち出しているものの不十分であり、社会不安の抜本的解消には程遠い状況であることには変わりありません。安心できる生活に戻るにはまだまだ時間を要することを覚悟する必要があります。

多くの労働者・企業は大打撃を受け、生活・仕事・教育のあり方も変えざるを得なくなりつつあります。また、世界・日本経済の急激な落ち込みは、地域経済に対しても大きな減退をもたらしており、この後には、地域活性化策をどう展開するのかといった重要課題も待ち構えています。

地域医療・保健衛生はもとより、清掃・学校・保健・介護・交通・消防などの現場、あるいは各種相談や給付の窓口となる自治体役所・役場など、さまざまな地域公共サービスに携わる自治労組合員の皆さんは、まさに今、その最前線で、この未曽有の事態への対応という任務にあたっています。

本部も、この間、国会対策や総務省・文部科学省・人事院をはじめとした省庁要請を重ねることで、財政運営の弾力化、休校・休業時の賃金補償や防疫等作業手当の特例措置などの各種通知を引き出してきました。また、私たちは、財源確保などの名目で公務員賃金が標的にされることも、大規模災害時に経験してきました。こうした手法は、政府に対する批判の矛先をそらすために実施されるものでしかないことを、あらかじめ強く訴え、そのような際には、正面から対峙していきます。まずは、地域公共サービスの維持と新型コロナウイルスの拡大防止、事態の収束という最優先の課題に向き合いながら、全国で奮闘を続ける仲間の雇用、生活と健康・安全を守るため、引き続き、国会対策・省庁対策などの取り組みに全力をあげていきます。

人を集める・人が集まることが困難な中、自治労運動の真価もまた、問われています。物理的には一堂に会すことができなくても、組合員一人ひとりの思いと現場の力を自治労の旗の下に集めていきたいと思います。今、そして、これからが、正念場です。自治労組合員78万人全員で必ず危機を乗り越えるとの強い信念を持ち、すべての仲間の皆さんに、自治労への結集を改めて呼びかけます。

ともにたたかっていきましょう。

2020年5月5日全日本自治団体労働組合
中央執行委員長 川本 淳

年115人の労災保険給付だったが…

病原体による疾病 数える労働安全衛生

イラスト

労働者が新型コロナウイルス感染症を発症したら、労災と認められるか?

業務や通勤に起因して発症したことが明らかであれば、労災保険給付の対象となる。当然だ。個別の事案ごとに感染経路、業務や通勤との関連性などの実情を把握して業務上か否かを判断する。

厚生労働省が、この2月3日に発出した事務連絡にある「業務上と考えられる例」を紹介すると、「接客などの対人業務において、新型コロナウイルスの感染者等と濃厚接触し、業務以外に感染者等との接触や感染機会が認められず発症」などとなっている。

未解明で治療薬もなく困難を極める状況が連日報じられているが、労災補償で感染経路特定が困難などという先入観は捨てよう。「仕事以外の原因は考えられない」と思えたら、迷わず労災保険の請求を行うべきだ。

業務上疾病は労働基準法施行規則に列挙されていて、その6番目に「細菌、ウイルス等の病原体による次に掲げる疾病」がある。その1番目は「患者の診療もしくは看護の業務、介護の業務又は研究その他の目的で病原体を取り扱う業務による伝染性疾患」で、医療、介護、研究の職種での発症をあげている。それ以外についても「…病原体にさらされる業務に起因することの明らかな疾病」として認めることになっている。

近年のデータをみると、2017年が115人で、そのうち医療、介護等が74人だ。2020年の給付は何人になるか。一桁大きな数字になることは明らかだろう。

※5月1日付けで、地方公務員災害補償基金より、「新型コロナウイルス感染症の公務災害補償における取り扱い」について、通知が発出された。公務災害の認定においても適切な運用を求めよう。

三つの要素、その柔軟性を高める

健康

イラスト

「関節」「筋肉」「血管」。体の構成要素であるこの三つをしなやかに保つには…。年齢を重ねていくと代謝が落ちて、運動時の動きも悪くなる。それぞれの要素の柔軟性を上げることが重要となる。
「ほぐれた関節」「しなやかな筋肉」「血液循環の良い血管」をめざそう!

関節の柔軟性

関節は骨と骨を連結させた体の部位であり、関節だけが柔らかくなるということはない。ストレッチなどで体を上下左右に伸ばす動作を行うと、筋肉の腱や筋が伸びる。そのことにより膝、肘、腰、肩周りの筋肉の可動域が広がり、それが結果的に関節の広がりにつながる。一般的に関節は体の柔軟性のために一番必要な要素だと思われるが、関節だけを柔らかくすることは難しい。

しなやかな関節になると、肩こりが解消され、インナーマッスルが強化されやすくなる。また血流が良くなり、代謝が上がる。

筋肉の柔軟性

一般的に「ストレッチ」や「柔軟性」と呼ばれているものは、筋肉を柔らかくするために行っているものがほとんどだ。筋肉の質を高めてしなやかにすることが、体全身の柔軟力の向上につながる。

これは、筋肉の腱や筋の柔らかさが関節の柔らかさにもつながっていて、ここが出発点となり体全身の柔らかさを増してくれるということでもある。きちんと伸ばして質の良い筋肉を作ろう。

しなやかな筋肉になると、太りにくい体となり、転びにくく、ケガもしにくくなる。そして全身の冷え性の解消につながる。

血管の柔軟性

体全身を巡る血液の土台となり支えているのが血管だ。例えると血液が水で、血管はその水を全身に送り込むゴムホースのような役割を果たしている。このホースが硬くなったり、古く劣化してしまうと水も上手く通らなくなり、血行不良を引き起こす。

血液のサラサラ度など粘着度は健康に欠かせないが、その土台である血管のしなやかさも非常に大切だ。しなやかな血管が不調知らずの若々しい体を作る。

しなやかな血管になると、血液循環が良好となる。また肌荒れが改善され、全身の凝りの解消につながる。

今ラジオ体操が見直されていて、関節の動き、柔軟性のアップに効果的だ。実は第3体操まであり、強度は第3が一番だと。YOUTUBEでも公開されているのでぜひトライしてみよう!

『自治労きょうと』一覧に戻る