2020年11月15日号(第816号)

最前線で命を預かる仕事 職種・職場を守るために要求を

2020現業・公企統一闘争

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自治労は、2020現業・公企統一闘争を確定闘争の前段と位置づけ「自治体現場力の回復による質の高い公共サービスの確立」を基本的な目標として取り組みを展開。府本部は10月23日に闘争集会を開催、10月28日に自治振興課交渉を実施した。

闘争集会

府本部闘争集会は10月23日キャンパスプラザ京都で開催。8単組56人が参加した。

冒頭、主催者を代表して川戸闘争本部長がコロナ禍における人勧の状況について説明し「公務員とくに現業・公企職場への風当たりは強いが、公共サービスを担う私たち現業・公企の仲間が、現場の声をしっかりと当局に届けることが確定闘争の勝利につながる。各単組、各分会、各支部の仲間で課題を共有し、大きな渦で成果を勝ち取ろう」とあいさつ。評議会を代表して、朝岡現評議長が「コロナ禍でわれわれの業務がエッセンシャルワーカーとして評価されている。それぞれの単組で仕事に対して真摯に向き合い、次世代のために職種を守るたたかいをしてほしい」。上田公企評議長は「地域住民のライフラインを守り、必要な水を安全に安定的に供給するため、人員の確保が重要だ。すべての単組で要求・交渉を」と奮起を促した。

谷口闘争本部事務局長が、現業・公企統一闘争の意義と、府自治振興課との交渉に向けた要求項目及び獲得指標について説明を行った。

続いて、八幡市職労と自治労京都市職より単組報告を受けた。八幡市職労は、新型コロナウイルス感染症に関して、職場や収集業務中でのコロナ対策や今後の取り組みについて報告を行った。市民からごみ収集員への感謝のメッセージが寄せられたことを紹介し、「今後も感謝の気持ちを忘れず、住民サービスの向上に力を入れる」と決意を述べた。

最後に、増永副闘争本部長が「現業・公企職場は最前線で市民の命を預かる仕事。一人ひとりが安心して働き続けられる職場づくりをめざそう」と団結ガンバローで閉会した。

府「人員削減は限界」と認識

府自治振興課交渉

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府本部は10月28日、7月3日に提出した現業・公企統一闘争要求書に基づき京都府自治振興課長と交渉を実施した。京都府の出席者は3人、府本部は13人。

府は16項目の要求内容のうち、関連項目をまとめて回答。大きな要求点としてあげた現業・公企職場の人員問題は、府の回答が「自治体職場の人員は限界ぐらいにきている」としたため、府本部から「限界ぐらいではなく、既に限界を超えている状況ではないか」と追及。府は「言葉が適切でなかった。私たちも限界にきていると考えている」と理解を示した。そのうえで「人員補充は自治体の判断となる。削減ありきではない」と答弁があった。府本部側から「ここでの答弁と現場で聞こえてくるものが違う。もう少し強力に自治体に助言をしていただきたい」と要求した。

トップランナー方式による交付税の問題に触れ、府本部は「政府の骨太方針では3年間は交付税の減額はないとされるが、コロナ禍での自治体財政の逼迫や自治体独自で水道・下水道料金を減免していることから、人件費削減が懸念される」と見解を質した。府は「コロナの措置や独自減免で人件費を削ることはあってはならないと考える」と回答した。

労働協約に関連し、自治体職場での36協定の締結状況についての質問に「基本的には労働局の管轄となるので、具体的な調査はしていない」と回答。府本部は「働き方改革を進め働きやすい職場づくりのためにも、協定の締結と、その協定に合わせてすべての職場で労働時間の短縮をめざすべき」とさらに府の対応を強化するよう求めた。

職務に必要な資格取得費用についての考え方について、府は「職員に負担させるものではない。勤務に応じて手当支給することになるが、予算措置をして対応していただきたい」と理解を示した。

最後に川戸闘争本部長が「住民の安心・安全のためには人員確保が重要である。京都府として各自治体にしっかりと助言を」と述べ、交渉を終了した。

京都府へ要求書提出

2020確定闘争

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府本部は11月10日、府自治振興課・砂子坂課長に西脇知事宛ての2020確定闘争要求書を提出した。

府本部から要求主旨を説明し、国公水準(ラスパイレス指数100)となるような給与制度の構築や会計年度任用職員制度の処遇改善等について、各市町村への助言を求めた。回答交渉は11月17日に予定をしている。

取り組みの柱
  1. 現行の賃金水準の維持・改善
  2. 地域の実情を踏まえた諸手当の新設・改善
  3. 会計年度任用職員の給料・手当についての不合理な格差の是正
  4. 定年引き上げについて国に遅れることなく確実な実施にむけた労使協議の開始
  5. 働き方改革の着実な推進
  6. ハラスメントのない職場づくり、快適な職場づくり
  7. コロナ禍における労働条件の確保
  8. 改正地方自治法への対応と失職特例の条例化

労働災害の一掃に向け各単組・職場で実施しよう

12.4職場集会

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自治労は、労働災害の多発が懸念される年末年始の繁忙期に向け、毎年12月に、現業職場の労働安全対策の充実に向け、「現業職場からの労働災害を一掃するための職場集会」を実施し、取り組みの強化を図る。

この取り組みは、1985年12月に清掃職場で2件の死亡事故が起きたことをきっかけに始められた。とくに本年は新型コロナウイルス感染症が蔓延しており、感染症リスクと背中合わせで業務にあたる現業職員だけでなく家族を守る観点からも早急に対策を講じるべき重要な課題だ。

各自治体の現業職場における労働災害を一掃するため、次の具体的課題を取り組もう。@職場点検活動の実施。A安全衛生委員会の開催と職場点検結果に基づく改善に向けた協議。B当局責任での労災撲滅に向けた職場集会。C作業前の安全体操の実施。D新型コロナ感染症対策の徹底。

すべての職場からの労働災害を一掃するため取り組みを進めよう。

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