2021年1月1日号(第818号)

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府本部写真コンクール最優秀賞 「雲上の世界」 田平 優太さん(自治労京都市職)
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新しい時代、労働組合の真価が問われている
自治労京都府本部 執行委員長 高橋 直樹

新年明けましておめでとうございます。組合員とご家族のみなさんに謹んで新年のごあいさつを申し上げます。また旧年中は、自治労京都府本部の様々な活動や取り組みにご協力いただきまして誠にありがとうございました。

とりわけ年明け早々の京都市・八幡市の両市長選挙から年末の宇治市長選挙に至るまで、数々の首長選挙において多大なご尽力を頂き、大きな成果を収めることができました。今後は私たちの処遇改善はもとより、大切な職場を守っていくため、これまで以上に連携を強化し、取り組みを進めていきたいと思います。

一方、昨年の年明け直後から始まった新型コロナウイルス感染症の脅威は瞬く間に世界を席巻し、私たちの日常生活は一変しました。多くの働く者・企業は大打撃を受け、生活・仕事・教育のスタイルも変わりました。経済の急激な落ち込みは地域社会にも深刻な影響を与え、自治体運営は厳しい状況が続いています。しかしこうした中で自治労に結集される皆さんは、医療・保健・福祉・教育・清掃・交通・水道・各種窓口や相談など、エッセンシャルワーカー(人々が日常生活を送るために欠かせない仕事)として、最前線でこの未曽有の事態への対応にあたっておられます。今、その皆さんを守るための労働組合の役割は極めて重要です。まさに自治労の真価が問われているといっても過言ではありません。コロナ禍を乗り越えた新しい時代の構築へ向け、感染防止に努めつつ、文字通り一丸となって邁進して参ります。

また、国政においては、安倍首相の突然の辞任を受けて菅政権が誕生しましたが、その本質は何ら変わることなく、強権的な政権運営が続いています。働く者、生活者の手に政治を取り戻すため、今年行われるであろう解散総選挙において、圧倒的な勝利をめざさなければなりません。

日本の平和を守り、格差社会を是正すると共に、働くことを軸とした安心社会を実現していくため、それぞれの職場・地域で、ご奮闘いただきますことをお願い致しまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。

本と出会い、感性育てる図書館

こども本の森 中之島

大阪市中央公会堂や中之島バラ園のほど近く、「こども本の森 中之島」が開館したのが2020年7月。開館当初より混雑緩和や新型コロナウイルス対策のために入館者数が制限されているが、連日多くの子どもたちや家族連れなどでにぎわっている。入館には事前のオンライン予約が必要だが、半月ごとにある予約受付日は毎回あっという間に予約枠が埋まってしまう。そんな人気の施設を訪れた。

心豊かに過ごせる空間

「こども本の森 中之島」は、大阪出身の建築家である安藤忠雄さんが設計し、大阪市に寄贈した「本と出合える場所」だ。約4千〜5千冊の寄贈本を含め1万8千冊の蔵書があり、それらの本が館内の壁一面に広がる本棚に並ぶ。館内に一歩入るとたくさんの本に囲まれ、まさに「本の森」に足を踏み入れたよう。

3フロアに分かれたスペースには、中央に大きな階段と吹き抜けの空間があり広さを感じる。また、なだらかな曲線を描く壁も、自然の中の小道を行くような感覚を連想させる。本棚には所々に本に登場する一節が立体的な文字となって掲げられており、その「言葉の彫刻」が本との出合いを誘う。

1階奥には、円筒形でコンクリート打ちっぱなしの何もない空間がある。天井の小さな丸い穴から光が差すそのスペースの壁には、プロジェクションマッピングで、いくつかの本に登場する場面やせりふが静かに映し出され、想像力をかき立てる演出も。各フロアに適度に置かれた机や椅子に至るまで、子どもたちが自然に本を手に取り、心地よく本と向き合える空間になっている。

館内の本は、絵本や童話、児童文学、小説、漫画、写真集や図鑑、自然科学の本、外国語の本など多彩なジャンルがあり、それらが「自然とあそぼう」「動物が好きな人へ」「生きること/死ぬこと」など、12のテーマに分けられて配架されている。子どもたちがそれぞれの興味に合わせ、コーナーごとに本を選べる工夫がとても楽しい。

「こどもの近くにいる人へ」のコーナーは、保護者や子どもに関わる大人に向けたもので、大人にとっても充実した時間が過ごせる。また、手に取った本を中之島公園に持ち出して読むことができるのも、自然の中で本に触れ合う機会を提供するもので、とてもうれしいサービスだ。

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子どもに貴重な体験を

ほぼ毎日の読み聞かせ「YONDEの時間」や出版社とのコラボ企画、ハロウィンやクリスマスといった季節ごとの催しなどのイベントも開かれている。開催日を公表せずにその月のお誕生日の子どもを祝うサプライズイベントなどもあり、訪れた子どもたちが楽しめる工夫がたくさんある。

「こども本の森 中之島」は、通常の図書館のように本を貸し出すサービスは行っていない。しかし、この場所で本と出合い、子どもたちが興味や好奇心とともに新しい世界を発見し、感性を豊かに育てる貴重な経験ができることは間違いない。次世代を担う多くの子どもたちに、訪れてほしい場所だ。

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学問の神様が生まれた場所

菅原院天満宮神社(京都市上京区)

府本部からすぐ近く、御所の西側に位置する菅原院天満宮神社。学問の神様として有名な菅原道真の生誕の地でもあり菅原院と呼ばれていた菅原家の邸宅の跡地にある。ご祭神は菅原道真とその父と祖父で、「烏丸の天神さん」と呼ばれ親しまれている。

代々学者の菅原家で幼いころから学問を学んでいた道真は、5歳で和歌を詠むなど大人顔負けの才能を発揮。その後、難関の文章生の試験に18歳で合格、最終的には学者の最高位とされる文章博士になった。そのことから「学業成就」のご利益があるといわれる。また、道真はその優秀さから天皇の側近(右大臣)となるなど、学者として異例の大出世を果たしたことにちなみ「出世」のご利益もある。

なぜ天満宮といえば「牛」なのか。菅原道真と牛については下記のとおり様々な言い伝えがある。@道真公が生まれたのが845年乙丑6月25日、つまり丑年の生まれである。A道真公左遷の時に、政敵であった藤原時平の命を受けた者が都落ちしている最中の道真公に斬りかかろうとしたが、その際に牛が松原から飛び出し、その者の腹を突き刺して道真公を救った。B道真公は遺言として自分の遺体を乗せた牛車が進むままに埋葬地を決めさせた。

境内には道真が誕生時に産湯(初湯)として使われた井戸があり、学業成就や病気平癒のご利益がある井戸水を汲んで持ち帰ることができる。 密を避けながら、散歩がてら出かけてみては。

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菅原院天満宮神社
◆所在地:京都市上京区烏丸通下立売下ル堀松町408
◆アクセス:地下鉄丸太町駅下車徒歩5分/市バス「烏丸下立売」下車、徒歩1分

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