2021年3月15日号(第822号)

男女平等へ今こそ

3・8国際女性デー

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3月8日は国連が定めた「国際女性デー」。森五輪組織委員会前会長の女性蔑視発言で全国的、国際的にも機運が高まる中、連合は全国統一行動中央集会を開催。
自治労本部女性部はその前段集会として、「3・8国際女性デー自治労参加者集会」を開催した。37県本部87人がウェブで参加した。

国際女性デーとは

今から164年前の1857年にニューヨークの被服工場で多くの女性たちが亡くなった火災事故をきっかけとし、3月8日に低賃金・長時間労働への抗議行動が実施されたことが3・8国際女性デーの起源と言われている。その後、3月8日は「女性の政治的自由と平等のために行動する記念日」と位置づけられ、賃金・労働条件の向上を表す「パン」と、女性の尊厳・人権の確保を表す「バラ」をシンボルに、世界各国で様々な行動が展開されている。連合は1996年から国際女性デーに関する行動を春闘の中に位置づけ、全国で統一行動を展開している。

自治労参加者集会

自治労集会は、はじめに鬼木まこと書記長が連帯のあいさつ。次に重黒木女性部長が国際女性デーの歴史と、現在の女性をめぐる情勢と課題について提起した。

女性部長は、「2019年の厚労省調査で女性雇用者数は年々増加しているが半数以上は非正規労働者。コロナ禍で男性22万人、女性68万人の非正規労働者が前年同月比で減少するなど多くの女性が影響を受けている。女性活躍推進をめざして法改正されたが、長時間労働の解消や非正規労働者の課題など具体的な解決は盛り込まれず、女性の労働権を保障する政策からは程遠い。コロナ禍での配偶者等からの暴力(DV)や職場でのハラスメント撲滅に向けた法改正など、暴力とハラスメントの根絶に向け取り組みを進めることが重要だ」と訴えた。

次に「コロナ禍とジェンダー平等」と題して、中野麻美弁護士から講演を受けた。

講師は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い失業や労働時間短縮と所得補償、業務量の増大による長時間労働、休業・休校等に伴う家庭的責任の増加や在宅勤務における課題など、多く雇用関係の問題が発生している現状について説明。またコロナ禍で浮き彫りになった格差の拡大について、「非正規労働者の解雇や雇用継続の打ち切りなど、ただでさえ賃金が低く生活が成り立たないところに追い打ちをかけられている。過半数が女性だ」と述べ、特に女性が置かれている厳しい現状を説明した。生涯賃金や労働・生活時間の男女間格差の実態にも触れ、「雇用での男女間格差の要因はワークライフバランスの欠如だ」と指摘した。

最後に「コロナはハラスメントのリスクを高め、ハラスメントはコロナの感染リスクを高める」とし、社会から暴力や差別をなくすには、事業目的の実現のための人的結合体である「職場」が取り組みやすいため、職場から家族・地域へハラスメント・ジェンダーに基づく暴力を禁止・防止する取り組みの必要性を訴えた。

自治労集会終了後、連合主催の全国統一行動中央集会が開催された。

極めて危険な財政状況

2021地財セミナー

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府本部は2月10日、NPO法人京都自治総研と共催し、「地方財政セミナー」をキャンパスプラザ京都で開催。組合員や自治体議員など対面・ウェブを合わせて38人が参加した。セミナーでは「2021年度地方財政の動向」と題した講演を、龍谷大学の只友景士政策学部教授より受けた。

講師はコロナ禍での地方財政について、「2021年度の財源不足が全国で10兆円を上回る試算となっている」と述べ、2021年度の政府予算および2020年度補正予算の特徴を示した。

21年度当初予算は3年連続で100兆円規模の106兆6千億円。20年度予算は3次補正まで行われ、合計で175兆円超となっており、「安倍政権から続く放漫財政の上にコロナ禍の対策が組み込まれている状況」だと説明した。

コロナ関係の補正予算では、現金10万円の一律給付やGoTo事業などに多額の予算がバラまかれた。「経済を動かすことは重要だが、誰のための経済対策かを今一度考え直す必要がある」とし、21年度予算について「財政認識上きわめて危うい状況に突入している」と酷評した。

最後に「コロナ自粛に対応するための助成金は緊急対応としては必要だが、今後に生かす工夫が必要だ」とまとめた。

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