2021年8月1日・15日号(第828号)

国公準拠なら国の制度に合わせて

2021京都府自治振興課交渉

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府本部は7月12日、京都府自治振興課と3月に提出した春闘要求書に関する回答交渉をおこなった。府庁旧館で行われた交渉には、府本部から高橋執行委員長ほか10人が出席。府は自治振興課の砂子坂課長など4人が出席した。労使関係ルールの徹底や賃金改善、定年引き上げの課題など具体的内容について京都府の見解を求めた。

課長は冒頭、新型コロナウイルス感染症の最前線で働く自治体職員への敬意と感謝を述べた。その後、自治振興課の基本的な姿勢は「府民目線を重視した各市町村への助言」だとして回答した。労使関係ルールについては、「賃金・労働条件の変更等は十分な労使交渉のもと、職員団体の理解を得て行うべきもの」と述べた。

賃金制度でラス指数100未満の団体について「厳しい財政状況で給与抑制措置が行われている自治体が多い」との回答を受け、府本部は「国公準拠というが、国と同じ制度になっていない自治体でラスが下がっている。まずはラス100になるように制度を整備した上で、財政状況が厳しい自治体は労使で協議すべき」と訴えた。

特殊勤務手当について、府は「府の特殊勤務手当はコロナ患者や濃厚接触者と接することへの手当。現状ワクチン接種のスタッフは時間外手当等で対応している」と回答。府本部は「国はワクチン接種を支える自衛隊員に『災害応急等作業手当』を支給するが、同様に集団接種会場に派遣される自治体職員には条例化されていないと特勤手当は支給できない。国にある手当なので府から各自治体での条例化に向けて助言をお願いする」と訴えた。

36協定の締結について府は、「対象職場での締結は当然。対象外職場でも時間外勤務縮減は重要である。府の対象職場は62職場のうち現在61職場で締結済みだ」と回答。府本部は「府内自治体は他府県と比較して締結が少ないのでは。府では労使協議で締結が進んでいるが、府内自治体での締結が進むよう助言を」と求めた。

会計年度任用職員制度の給与水準について、府は「フルタイムは類似する常勤職員と、パートタイムはフルタイムとのバランスを考慮して定めるべき」と回答した。府本部は「例えば、市町村では保育士など労働時間や責任の違いはあるが、仕事内容は同じなのに、昇給ペースが違うなどの格差がある。法の趣旨に基づき同じ自治体の同種または類似の常勤職員と比較した処遇改善となるよう」助言を求めた。

定年引き上げについて府は、「6月に法改正され、段階的に65歳に引き上がることが決まった。各市町村での条例や規則の改正に向け、随時情報提供を行い助言していく」と回答。府本部は「課題となる項目を要請書として提出。役職定年制や再任用との労働条件の差など課題はあるが来年2・3月議会での条例化に向け助言をお願いしたい。特に人員確保については、これを機に適正な定数を定めることも視野に助言をお願いする」と求めた。

最後に、「コロナ禍で自治体現場ではリスクを伴い、繁忙な現場で奮闘している。人事院勧告闘争のヤマ場を迎えるが、職員の意欲、やる気を継続できるよう、各自治体への助言をお願いしたい」と述べ、交渉を終えた。

府・市人事委員会に要請

人勧期闘争

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6月30日に公務員連絡会が人事院に要求書を提出し、人勧期闘争が本格的にスタート。コロナ禍の影響で民間の明暗が分かれており、月例給への影響は不透明な状況だ。

府本部は7月9日、自治労京都府職、自治労京都市職と連携し、京都府、京都市の人事委員会へ要請書を提出した。

提出に際し府本部は「新型コロナや自然災害への対応など、自治体職員は奮闘を続けている。適切な人員や労働条件を確保し、職員がモチベーションを維持できるような勧告・報告を」とそれぞれの人事委員会に要請した。

人勧期署名へのご協力、ありがとうございました

7月14日、人事院に114785枚・413637筆の署名を提出しました。

府に要求書を提出

2021現業・公企統一闘争

府本部は7月12日、西脇京都府知事宛の2021現業・公企統一闘争要求書を砂子坂自治振興課課長に提出した。要求内容はあらゆる災害に備えたワークルールの確立や人員確保など15項目。回答交渉は秋を予定している。

定年引き上げについて学習

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6月4日の参議院本会議において「地方公務員法の一部を改正する法律案」が可決・成立した。定年年齢は2023年度から段階的に65歳まで引き上げとなる。府本部は7月14日、京都テルサで定年引き上げに関する学習会を開催した。11単組からウェブを含め17人が参加。森本正宏本部総合労働局長を講師に、制度の解説と交渉のポイントを聞いた。

定年延長の概要は下記のとおり。

◆賃金は60歳前の7割
60歳に達した4月1日以降も給料表の位置づけは変更なし。60歳を超える職員の給料月額は、当分の間60歳前の7割水準に設定される。

◆役職定年制の導入
組織の新陳代謝を確保し、組織活力を維持するため役職定年制が導入される。対象は管理職手当の支給対象の職で、役職定年の年齢は60歳を基本としている。

◆退職手当は現行水準
退職手当は当分の間、現行水準が維持される。60歳以降の定年前に退職した場合も、定年退職の支給率が適用される。

また、賃金月額が減少しても「ピーク時特例」が適用される。

◆定年前再任用短時間勤務制度の新設
再任用制度は、定年延長の完成まで現行同様の制度が暫定的に残る。また、60歳以降定年前に退職した者を短時間勤務の職に再任用できる制度が新設される。

◆条例改正など制度確立に向けて
地方公務員の定年は、国家公務員の定年を基準に条例に定めるものとされている。段階的引き上げ開始に向け、2022年度中に2023年度に60歳を迎える職員への情報提供や意思確認が必要となる。各単組は速やかな制度設計と条例改正に向け、2021年賃金確定闘争において、単組交渉のポイント(右表)に基づき労使協議の取り組みをお願いしたい。

定年引き上げに向けた単組交渉のポイント
  1. 高齢になっても働き続けられる職場づくり
    …職場環境の整備(職務内容、配置)、働き方
  2. 役職定年の導入
    …役職定年年齢60歳、対象は管理職以上
  3. 国公法改正法案(附則)への対応
    …初任給引き上げ、昇給昇格運用改善等
  4. 賃金水準の確保
    …まずは60歳時の7割水準確保を追求
  5. 再任用職員の賃金改善
  6. 高齢者部分休業制度の条例化と活用できる職場環境の整備
  7. 新規採用者の計画的確保と定年延長の適正運用

読まれる機関紙づくりを

全国情報宣伝セミナー

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自治労本部は7月15日、2021年度全国情報宣伝セミナーをハイブリッド方式(対面・ウェブ)で開催。ウェブ参加が可能となったこともあり、例年の3倍近い332人の教育宣伝担当者が参加。京都からは4人が参加した。

セミナーは、全体集会と2つの分科会が行われ、全体集会では辻よしはるさん(機関紙編集者クラブ)による「伝えることはつくること〜情報宣伝のちからを政治闘争に」と題した講演を受けた。

第1分科会では、ヨッシー・イリエさん(自治労まんが集団事務局長)による「読まれる機関誌のツボ」を学習。@組合員への伝え方や読みやすくする手段など「読まれるためのツボ」、A読みやすいレイアウトの基本や記事の書き方、見出しの付け方など「実践のツボ」、B記事に臨場感を与え、記録としても大切な役割の「広報写真のツボ」について説明した。

全国で機関紙を作る仲間も最初は上手くいかず苦労していることやツボを押さえれば比較的簡単に作れること、編集は一人でなくチームで作っていくことなどを学び、今後の機関紙づくりの励みとなった。

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